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SPAM(スパム)

●ホチキスやシャープペンのように企業名が商品名に使用されているものがあるが、迷惑メールの総称「spam(スパム)」が元は食品名であることはどの程度知れわたっているのだろう。

●「SPAM」とは、アメリカのホーメル食品が販売するハムに似たランチョンミートの缶詰のこと。
1937年に発売が開始されて以来、欧米では一般的な家庭食品として普及している。ハムとソーセージにコンビーフをちょっと混ぜて伊達巻きくらいの固さにして塩味を強くした感じ、と『スパムメール大賞』(サエキけんぞう著、文春文庫)にある。

●当初は、「Spiced Ham(スパイスド・ハム)」という商品名だったが、インパクトに欠けるということでネーミングを一般公募した結果、「SPAM」に決まった。

●だが、その宣伝がよくなかったようだ。

「スパム、スパム、スパム、スパム」と、商品名をやたら連呼する宣伝だったことから、かの人気コメディ・コンビの「モンティ・パイソン」のネタに使われてしまった。
『空飛ぶモンティ・パイソン』の有名なコントのひとつ「スパムの多い大衆食堂」より。

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この食堂のメニューは「卵とスパム、卵とベーコンとスパム、スパムと卵とソーセージとスパム、スパムとスパムとスパムと卵、スパムとスパムとスパムとスパムとスパムとベイクドビーンズ」というように、とにかくスパムだらけ。
客席でそのギャグを聞いているバイキングたちもしつこく「スパム」を連呼する。
・・・

●あいにく、そんなギャグが大受けしてしまった。
やがて、こちらの都合を無視して大量に届くメールの総称が「スパム」と呼ばれるようになったわけだが、米国ホーメル食品社としては喜ぶべきか悲しむべきか。

●「当社の製品はあくまで『SPAM』(大文字)であり、迷惑メールの『spam』(こちらは小文字)とは文字を使い分けましょう」とホーメル社はネット上で提案しているがあまり徹底されていないようだ。
今私のGmailに届いたばかりの迷惑メールにも大文字で「SPAM」と書かれていた。

●シャレが通用するインターネット利用者の中には、「spamは食えない(面白みが無い)が、SPAMはウマい!」と秋葉原に行くついでにアメ横でスパム缶を購入し、友人にジョークグッズとして紹介するなどしているようで、結構売れているらしい。

もちろんネットでも「SPAM」を買うことができるので興味のある方はどうぞ。

★「SPAM」を注文する → http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2135
★ウィキペディア「スパム」 http://ja.wikipedia.org/wiki/SPAM

●それにしても、宣伝には充分気をつけましょう。