未分類

土用の丑に休むうなぎ屋


●昨日、都内を移動していたら車がやけに多い。
タクシードライバーに理由をたずねてみたら、「今日は五十日(ごとおび)だから」と言われた。

「なるほどね」と答えたものの、営業マンが客先を集金して回る時代でもないのに、なぜ五十日が忙しいのか分からない。

●同様に、「今月は決算なので忙しい」という社長がいるが、それも分からない。なぜ決算月だけが特別に忙しいのだろうか。
決算対策というものは本来、毎月・毎日やるべきことであって、決算月だけにまとめて行うものではないと思うのだ。

●決算月の一ヶ月をまるまる休暇にするくらいの大胆な社長がいないものだろうか。

実は、昨日行ったうなぎ屋はそんな大胆な店だ。何しろ、うなぎ屋のかき入れ時は “土用の丑” なのに、その日は「混雑していい仕事ができない」という理由で休んでしまう。その店の名は「野田岩」。↓
http://e-food.jp/roppongi_blog/archives/2009/01/nodaiwa.html

●野田岩へご案内下さったM社長は、「武沢さんはひつまぶしの本場・名古屋の方だから、果たして江戸前のうなぎがお口にあうかどうか」と遠慮気味だったのだが・・・。

そんな「野田岩」の創業は江戸時代。
東京を代表するうなぎの名店としてかねがね評判は聞いていたが、実際に訪れると店の造りに重厚な雰囲気がある。

●店内に入ると1階はテーブル席が中心。階段を上がると「うなぎの寝床」のような2階と3階はお座敷になっていて、そちらで我々はコース料理を堪能した。
燻製や煮こごり、肝の吸い物、う巻きなどのあとにメインのうな重がドーンと出た。自然に「来たあ!」と声が出る。

●焼き上がったうなぎの見た目はとても上品で、余分な脂を落とし、しっとりとした食感になっている。
軽くふった山椒の香ばしさと相まって、絶品。こんな旨いうな重は食べたことがない。

思わず、「う~ん、これは美味い!」と唸った。
日本酒をちびりちびりとやりながらのうなぎコースに楽しい会話。
日本人で良かった。江戸前のうなぎ、おそるべし。

M社長、ありがとうございました。

●教訓

・「土用の丑の日に休む」というクチコミは伝説めいていて効果的

「野田岩」を知らない人に「野田岩」を語るとき、ほぼこのひと言ですべてを言い表すことができる。