●プロゴルファーがもし「昨日は追い風だったから好スコアが出たが、今日は逆風が吹いているからスコアが悪い」と発言するようでは情けない。そんなことを言うプロは一人もいないはずだ。
●それと同様に、プロの経営者が「好況だから黒字を出せるが、不況だから赤字になった」と発言することは許されない。
好況か不況かは、ゴルファーにとっての風のようなもので、影響は大きいが自分のスコアの言い訳にはならない。
逆風でもヨットは前へ進むように、プロの経営者は世間が不況でも会社を伸ばす。
●経営トップが不況気分に浸っていると、それだけのことで業績急回復のチャンスを逃すかもしれない。
今や、香港や中国華南地区など一部のエリアの一部の企業で、着実に業績を回復させる会社が増えている。
●昨夜、香港和僑会の幹部と会食した。日本に到着したばかりと聞いて、焼鳥屋へ彼らをお誘いした。
乾杯後しばらくすると、日中ビジネス25年のTさんが中座したまま30分ほど戻ってこない。店外で電話に出ているようだ。
Tさんが戻ってきたので「どうしましたか?」と聞くと、大型受注が入ったという。
●ほんの三ヶ月前に彼に会ったときは、「リサイクルプラスチックの相場の下落ぶりは過去に経験したことのない下落ぶりで、注文のキャンセルが相次いて同業者の7割が倒産または廃業した」と彼も途方に暮れていた。
借金経営しているところは持ちこたえられなくて、しばらくは耐えるしかない、とも語っていた。
ところが今や、Tさんの会社はV字型急回復。その理由は、信頼のおける会社に注文が集中するようになったからだとか。
●同じ香港でガラス工芸品の製造販売のS社長の会社も、1500人の社員を1000人に減らすほどの大幅リストラを予定していた。ところが、それを急きょ撤回。
今では人員確保に大わらわだという。その理由は、同業他社が次々に倒産していき、Sさんの会社に注文が集まってきたから。
●広東省を中心にして製造業も淘汰が一巡した。中国の国策を受けて、内需向け製品の需要が旺盛だという。
いち早く不況から脱出するのは力ある中小企業から。