●「サラリーマンの給料はガマン料みたいなものだ」と誰かが言っていたが、給料は我慢料なんかじゃない。そんなものにお金を払う価値などないのだ。
●社員の給料や役員の報酬は「成し遂げた成果」に対して支払われるものである。決して時間の拘束代金でもないし、作業代金でもない。
あくまで成し遂げた成果に対して支払われるものであると考えるべきだろう。
ということは、給料や報酬が多い人は成し遂げた成果が大きい人であり、その逆も真なりと言える。
●では次に、何を成し遂げようとしているのかを前もって決めておくことを「目標設定」という。
だから給料や報酬を受け取る側の者(社長も含む)にとっては、目標設定はなくてはならないものであることが理解できるだろう。
●その目標には、有形の目標と無形の目標がある。
有形の目標とは、数字などによって目標を特定できるものである。
たとえば、
・売上 1000万円達成(期限 ○年○月○日)
・新規客先 5社開拓(期限 ○年○月○日)
・一級建築士の資格取得(期限 ○年○月○日)
などは誰がどうみても達成、未達成が測定可能なので「有形の目標」とよぶ。
●一方の「無形の目標」とは、能力向上や日常の心構え、人格の錬磨など数字で表現できない目標のことをいう。
たとえば、
・毎朝元気にあいさつする
・いつも笑顔を絶やさない
・毎日読書する習慣をつくる
・誰にも負けない情熱で仕事をする
などである。
このように、目標には有形と無形の二種類あることを覚えておこう。
●社員に対して「目標設定とは何か」を教える場合、まず今日一日の目標を作ることから教えてあげよう。
「今日一日であなたは何をなし遂げたいですか?」を問いかけ、「そのためにどのような行動を取りますか?」を問いかければ良いだろう。
●時々、その日のTO-DOリストを作ってそれを消化していくことが目標設定だと勘違いしている人がいるが、そうではない。
目標設定とTO-DOリストの消化は別物である。
●今日のあなたのTO-DOリストの中味をよくよく吟味していただきたい。
毎日同じことばかりリストアップされていないだろうか?
定型業務ばかりがTO-DOリストに入っている人には、残念ながら給料や報酬を上げる余地がまったくない。
そうならないためにも彼らを正しい目標設定へと誘(いざな)ってあげよう。
●今日は、遠い将来の理想に向かって昨日まで出来なかったことが出来るようになろう。それが今日一日の目標だ。
もっと上手に、もっと早くやれるようになろう。
●私の友人は、毎朝墨をすりながら一日の目標を考え、それを巻紙に毛筆で書くという。
料亭がその日の料理内容を書いてお客に見せるように、彼はこんなことを書いている。
・・・
◆ 本日のメニュー 平成二一年二月一九日
・株式会社○○から受注をいただく(四百万円)
・△△株式会社様宛企画書提出
・四月からの新人教育メニュー決定
・部下のA君とブレスト。新セミナーの骨格を決める
以上
・・・
という具合だ。
彼の場合あえて定型業務を書かない。ブログの更新やメール返信、ジムへ行くなどの定型業務をあえて書かないことで、その日に期待していることを浮き立たせるというのだ。
たしかに一理あるやり方だ。
●さてあなたは、今日、何を成し遂げる?