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社員に有給休暇を取ってもらおう

「相談があります」と A 社長が訪ねてきた。要件を聞くと、「うちもついに有給制度を導入します」とのこと。会社を立ち上げてこの数年間は奥さまと二人三脚だったせいで有給休暇制度はなかった。だが昨年だけで数人の社員が入り、そろそろ就業規則と有給休暇制度と賃金規定などを整備しようというわけだ。私も相談に乗る以上は有給休暇制度についてネットでおさらいしておくことにした。

案の定、ふだん見落としていた新情報がたくさん見つかった。まず、「年5日の有給取得義務化」に関するニュース。

これは平成28年4月から、従業員に年5日の年次有給休暇を取得させる義務を企業に課す方針で法整備が進められているというもの。これによって日本も欧米諸国なみに有給取得率100%に近づけようというわけだ。

有給5日義務関連ブログ
http://www.bengo4.com/roudou/n_2751/

ちなみに日本企業の平均有給取得率は50%を下回っている。厚労省の調査では、2013年度の有給休暇の平均付与日数は18.5日。だが実際に社員が取得した有給休暇は平均で9日と取得率は48.8%にとどまっている。特に人員に余裕がない中小企業ほど取得率は低い傾向にあり、そのあたりを是正させるのが狙いだといえる。

日経産業新聞の調査によれば、社員からみた働きやすい会社の条件の上位に「有給休暇のとりやすさ」が入っている。この項目が上位にくるということは実態は有給が取りづらいという意味でもある。そのあたりの有給に関する企業のタテマエとホンネの誤差を是正していく必要があるわけだ。

欧米ではほぼ100%近い取得がある有給。日本企業はその半分に過ぎないわけだが、有給取得率の上位企業ランキングがここにある。欧米並みの企業が日本にもあるわけで、注目に値する。

有給取得率ランキング
https://career.nikkei.co.jp/contents/hataranking/05/

あなたの会社でもこれから有給取得率を計算することにしよう。その数値が年々上昇していくような目標を経営計画に書き込もう。それだけでも社員満足度は大きく向上するだろう。

今日はここまで。明日は、社員が一生働きたいと思える会社の条件について考えてみたい。