未分類

社長は社内をかき回す人

●小学生、中学生、高校生と子どものころは毎年進級した。一歳年をとるたびに1年生から2年生に、翌年は3年生になって先輩風を吹かし、進学すると今度は先輩から威張られたりして、とにかく一年一年がコワイくらいに新鮮でどきどきしたものだ。

●ところが社会人になると一歳年をとるという現実は同じだが、子どものときほど明確な変化はない。
ふと気づいてみたら5歳も10歳も年をとっていた、ということになる。

個人でも会社でもそれは同じこと。
人は誰でも年をとるが、会社は若さを維持したいものだ。

●「人間は同じことを続けていると平均18ヶ月でマンネリがくるから、定期的に組織を変えるか、人事異動しなければならない」と聞いたことがある。

たとえば営業から生産へ、そして総務経理から開発へ、その後、広告宣伝を経て再び営業へ。
職場は日本にとどまらず、アジア部門として上海へ赴任し、その後ヨーロッパ市場開拓のためにロンドンへ転勤。
その後、北米支社長に就任・・・、そんな異動をさせてやりたいものである。

●ところが中小零細規模の場合、活動範囲が狭い。
さらにコンピュータを使ったビジネスをしていたりすると転勤すらない。出張もなければ訪問する相手もいない、ということになる。
おまけに社員数が少ない会社だと組織変更や人事異動のやりようがないので困ったものだ。

●そんな時、どうするか。

大切なことは絶えずフレッシュな挑戦があることなのだ。担当する仕事を変えることや、職場環境を変える、一緒にチームやペアを組む相手を変える、オフィスレイアウトを変えるなど、とにかく何かを変えて風を新鮮に保ってあげよう。

経営者はいつも外出できるし、多くの人に出会うことができるのでマンネリに陥ることは少ない。
しかし社員は生活も仕事も範囲が限定され、おまけに仕事も周囲の顔ぶれも変わらなければ必ずマンネリになる。

●昨日の夕方、三州製菓の斉之平(さいのひら)社長と『経営者会報』の新年号用に対談を行った。

年商、約30億円。専門店向け米菓(特におせんべい)のトップシェア企業として業界の内外で注目されている実力経営者だ。
ホテルオークラでの対談は2時間の予定だったが、時間が足りず、会場を割烹に移してご飯を食べながら4時間半も続いた。

●三州製菓さんでは米国3M社の事例をアレンジして、社員全員(パート含めて200名強)で一人一研究制度を導入している。

勤務時間のなかで自分の本職以外の活動テーマをもつというもの。

ある人はポストイットを使ったTO-DO管理法を研究する。別のある人は速読法のマスターに挑戦する。昨年全社表彰された男性社員は、独自の健康的なダイエット法を開発し、効果をあげた。

●また、かつて日本の製造業ではどこの会社でもカイゼンを目的にした小集団活動が行われていたものだが、三州製菓さんでは独自の委員会制度も作ってある。
日産のクロスファンクション(部門横断)の会議法をヒントにした委員会で大小12の委員会がある。

●なお、昨日の対談の模様は「経営者会報」新年号で特集されるので私がここでネタバレしてはならない。
毎年決算期にあわせて全員に配る「事業計画書手帳」の目次を写真にとらせていただいた。

その画像がこちら↓

★フリッカー http://www.flickr.com/photos/32073575@N02/

一人ずつ社長直筆で激励のコメントが書いてあり、配ると同時に会場が沸くらしい。

●我が子のように社員を愛するが故に、どのようにしたら社員がもっと楽しくイキイキと働いてくれるかを考え続けているという。

★三州製菓 http://www.sanshu.com/

★経営者会報 http://www.njh.co.jp/njs/keikai.htm