●セントラルリーグは巨人が制し、11月1日から巨人-西武の日本シリーズが始まる。クライマックスシリーズが始まって以来、首位同士が激突する日本シリーズは初めてのことになる。
●両チームが前回日本シリーズで戦ったのは2002年のこと。そのときは巨人が西武をまったく寄せつけず、4戦全勝して日本一になった。
(4試合のスコアは4-1、9-4、10-2、6-2)
その前の1994年の対戦でも巨人が勝っているが、日本シリーズの通算成績は巨人3勝に対し、西武6勝(西鉄時代含む)と西武に分がある。
その6勝のなかには、のちに「神様・仏様・稲尾様」と言われるにいたる1958年の戦いも含まれている因縁の対決だ。
http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/linescore1958.html
●さて今日は野球のことを書きたいのではなく、応援歌について書いてみたい。
おそらくあなたは、今日これから私が書くことをご存知なかっただろう。私自身もそれを知ったときには痛く驚いたのだから。
それは、巨人軍の応援歌『闘魂こめて』と阪神の応援歌『六甲颪(ろっこうおろし)』は同じ作曲家が作った歌だ、ということ。
作曲家の名は 古関 裕而(こせき ゆうじ)氏。(1909年-1989年)
いかがだろう、少し驚かれただろうか?
『巨人軍の歌』(1963年)
・・・闘魂こめて大空へ 球は飛ぶ飛ぶ 炎と燃えて おおジャイアンツ その名担いてグラウンドを 照らすプレイのたくましさ ジャイアンツ ジャイアン
ツ ゆけゆけ それゆけ 巨人軍
・・・
http://www.biwa.ne.jp/~kebuta/MIDI/MIDI-htm/Tokon_komete.htm
『大阪(阪神)タイガースの歌』(1936年)
・・・六甲颪に颯爽と 蒼天翔ける日輪の 青春の覇気美しく
輝く我が名ぞ
阪神タイガース オウオウオウオウ
阪神タイガース フレフレフレフレ
・・・
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/9959/tigers.html
それだけではない。古関氏は中日ドラゴンズのためにも応援歌を作っている。こちらはあまり聞かない曲ではあるが…。
『ドラゴンズの歌』(1950年作)
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_0.php?ID=39209
野球がらみでは他に、『フライヤーズの歌』、『パシフィック・リーグの歌』も古関氏の手によるものだ。
●野球だけではない。私たちにおなじみの軍歌の数々も古関氏によるものが少なくない。
『露営の歌』(1937年)
・・・勝ってくるぞと勇ましく・・・
http://www.geocities.jp/abm168/OMOIDE/roei.html
『暁に祈る』(1940年)
・・・ああ あの顔で あの声で
http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/band/midi/JASRAC/akatsuki.html
『若鷲の歌』(1943年)
・・・若い血潮の 予科練の 七つボタンは 桜に錨
http://www.geocities.jp/abm168/GUNKA/wakawasi.html
などは古関氏の曲である。
●巨人と阪神と中日の応援歌や人気軍歌がいずれも同じ作家というだけで驚くのはまだ早い。
実は、早稲田と慶応の応援歌も同じ古関氏が書いているのだ。
『早稲田大学応援歌 紺碧の空』(1931年)
・・・紺碧の空 仰ぐ日輪 光輝あまねき 伝統のもと
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Sparta/7827/master/konpekinosora01.html
『慶応義塾大学応援歌 我ぞ覇者』(1970年)
・・・雲を破りて 世を照らさんと 見よや見よ 自由の先駆われ
http://keio-cheer.com/uta/uta.html
●さらには私が大好きなこの曲も古関氏。
『栄冠は君に輝く』(1948年)
・・・雲は湧(わ)き 光あふれて 天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/kumowa.html
『スポーツ・ショー行進曲』(1949年)NHKスポーツ放送テーマ曲
http://columbia.jp/prod-info/streaming/undokai/asx/34113_10.asx
(※メディアにつながって音楽が流れます)
『オリンピック・マーチ』(1964年)
http://columbia.jp/prod-info/streaming/undokai/asx/34113_09.asx
(※メディアにつながって音楽が流れます)
●怪獣映画『モスラ』の主題歌にもなったザ・ピーナッツが歌う呪文の歌・・モスラヤ モスラ ドゥンガン カサクヤン インドゥムゥも古関氏である。
●ここまで古関氏が私たちの身の回りに満ちていたわけで、私としては敬意を表してCDと本を買わないわけにはいかない。
★本 http://www.amazon.co.jp/dp/4820542575/
★CD http://www.amazon.co.jp/dp/B00005EPH2/
★ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/古関裕而
●応援歌・行進曲の天才、古関裕而氏のCDを毎日聞くようになって困ったことがひとつある。
それは、『闘魂こめて』と『六甲颪(ろっこうおろし)』の両方を口ずさんでいる自分がいることだ。
応援歌は聞いているだけでやる気が出る。自分用にアレンジした替え歌でも作ってみよう。