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悩めるエステシャン

●人は新しい目標がないとすぐに心が水浸しになる。
悩みや不安を抱えたまま時間だけが猛スピードで過ぎていくように思えるときがあるが、経営者は本来、悩んではならない職業だ。

考えるべきことや決めるべきことはたくさんあっても、悩んではいられない立場なのである。

●悩みといえば先週末にこんなことがあった。

背中の張りをほぐしてもらおうとメンズエステに行ったら、いつもの担当者(20代の女性)が「悩みを聞いてほしい」という。

「えっ、ぼくに相談?」と思いつつ、手足をゲルマニウム温浴しながら彼女の様子をみる。
顔色は元気そうだ。どうやら健康の悩みではなさそうである。考えられる理由はあと二つで、人間関係かお金だろうと思った。

●お客さんにお金の相談をするなど考えにくいので、たぶん失恋だろうと思ったら、案の定、彼氏が長崎へ行ってしまうという。

それだけなら遠距離恋愛になるだけなのだが、新しい住所を教えてくれないし、これを機会に連絡を取り合うのをしばらくやめようと言われたらしい。完璧な失恋だ。

●予告なくそう言われた彼女は三日間ほど眠れなかったらしい。
強引に九州まで追いかける気持ちはないらしいので、彼女の場合は、時間が解決するしかないだろう。

だが、経営者は悩んではならない。
悩みとは意志決定を伴わない思考である。
もし何らかの意志決定を伴えば、それはもう悩みではなく「課題」や「目標」に置きかわる。だから経営者は自社の経営について考える人であって、悩む人であってはならないと思うのだ。

●苦しみや不安な気持ちをもつことは人として自然なことだと思うが、注意しなければならないのは悩みグセをもってしまうことだ。
最初から解決するつもりがなく問題ばかりを思い悩んでいると、感情が水浸しになってしまう。

●もし気分が優れないとか、最近熟睡できないというのであれば、その理由を箇条書きにした「ウォリィ・リスト」(Worry List、心配事リスト)を作ろう。

例えばこんな感じ。

<2008年10月Worry List>

・売上げ目標の未達成が続いている
・資金繰りが悪化している
・部下にやる気が感じられない
・運動不足で体調がすぐれない
・かみさんとうまくいっていない
・子供が言うことをきかない
・最近、銀行の態度がよそよそしい
・読書が減っている
・・・etc.

●次に別の用紙に、「とっておきのアドバイスリスト」(Sicret Adv-ice List)を作ろう。
もう一人のあなたがあなたにアドバイスを送るのだ。

<2008.10.Sicret Advice List>

1.30分早起きし徒歩通勤する
2.出社前にスタバで一人ミーティングする
3.始業前10分間読書する(良書を読む)
4.体育の日の三連休を利用して2009年以降の事業計画を作り直す
5.部下と相談する
6.かみさんを三つ星レストランに招待する
・・・etc.

このリストの中で実際に「やる」と決めたものには番号に○を付ける。

●ここまでやればもう大丈夫だ。たった一日で精神状態がガラリと変わることもある。一週間かかる人も一ヶ月かかる人もいるが、悩みグセは自然消滅することだろう。

●人は挑戦しようという新たな目標があるかぎり、心配ごとに押しつぶされることはない。
目標がない、又は、目標が形がい化していると心配ごとに押されっぱなしになり、悩めるエステシャンのようになってしまう。

経営者は二十歳の乙女ではないのだ。