●今日7月1日は今年後半の元旦である。下半期に向けて目標と決意を
新たにしよう。
意識を一点に集中しよう。気持ちが分散していては虫めがねの焦点が合っていないのと同じこと、何も燃え上がらない。
●「東京駅で30分でもよいので会って意見をお聞きしたい」と連絡が入った。ITビジネスで起業して3年目になるA社長(31才)がビジネスプランを見てほしいという。
●丸善オアゾのカフェで待ち合わせ。
名刺交換のあと、さっそく彼の「Wish List」から拝見した。
「本当に見てもいいんですか」
「はい、そのつもりで内緒にしたい項目はカットしてきました」
「なるほど」
●『2009年 Wish List』と題し、次のような項目が並んでいた。全部で200項目ほどあったが、印象的な20項目ほどをご紹介したい。
・ドバイに行きたい
・マカオに行きたい
・香港和僑会と交流したい
・都内に行きつけの寿司屋を見つけたい
・年商を5億円にしたい(3年以内)
・経常利益を5,000万円にしたい(3年以内)
・役員報酬を3,000万円にしたい(3年以内)
・資本金を1億円にしたい(2年以内)
・35才までに結婚したい(今31才)
・○○に関する技術で世界一になる
・IPO(株式公開)したい
・IPOしてから本を書きたい
・新卒学生を採用したい
・強力な右腕幹部がほしい
・人前で堂々とプレゼンできるようになりたい
・「青年の船」のような研修船に乗ってみたい
・美人秘書がほしい
・美人受付をおきたい
・レクサスハイブリッドに乗る
・毎月10冊、本を読む
・WEBを改造したい
●個性があってなかなか良いリストだと思うが、いかんせん、ほしいものばかりが並んでいる。
私も彼と同じ31才のころに作った「Wish List」はこのような内容だったと記憶している。自分が得たいものが何なのか、ご褒美ばかりが並んでいるようにみえる。
肝心の、自分が何ものになりたいのか、何を成し遂げたいのかがあまり見えてこない。
さらに言えば、自己成長目標や自己改善目標が少なすぎる。
●私は彼に質問した。
「10年後、このWish Listのうち何パーセントくらいが実現していると思いますか?」
すると、彼はしばらく考えてから「20%くらいだと思います」と返答した。
●私は彼に次の質問をした。
「このWish Listがお遊びで終わらないための最重要課題は何ですか?」
彼は10秒ほど間をおいて答えた。
「自己管理だと思います」
「ほお、どういうこと?」
「Wish Listが達成できるような人間に自分がなることが最大ポイントだと思います」
●さすがA社長だと思った。
自分のWish Listにある脆弱性に気づいたようだ。
レクサスに乗るならレクサスにふさわしい人間になってほしい。レクサスが似合う男とはどのような者かを定義し、それもWishとして書きだそうという意味である。
●Wish Listの成長が本人の成長であり、年々進化する人だけが、実際にWishを実現することになる。