未分類

青年の船

●怒濤の9日間の船旅から昨日、帰国した。

6月7日(土)に名古屋港を出発し、紀伊半島の先端をまわって四国・九州・沖縄諸島をやりすごし、台湾海峡をくぐって5日目に香港に到着する。

●9日間、周囲は見渡すかぎりの海と水平線。船のまわりには、トビウオの群れに渡り鳥、時々、イルカもいた。
そんな生活に慣れてしまうと、この蒸し暑い名古屋のビル群には違和感があるし、陸地にいても身体がフラフラ揺れている。

●『第35回青年の船 とうかい号』は、青年会議所(東海地区協議会)主催の総勢600人の船旅。一般団員は東海地区在住の若者430人。
主催者も含めてみんな若い。驚いたことに、この船の船長も含めても、私が3番目の年長者だった。

●9日間の感想を手短に言えば、「感動した」。
涙もろくなって、後半は毎日泣いていた。10年分は泣いたと思う。

これは、あくまで講師の目からみた今回の研修船の評価だ。

◎・・大変すばらしい
○・・すばらしい

・一般団員の姿勢 ◎ (彼らは若いのに成熟していた)
・研修委員会のメンバーの働き ◎ (また彼らと仕事したい)
・今回ご一緒した他の講師四氏 ◎ (OB会をやることになった)
・日本青年会議所という組織 ○(今回、見直した)
・総合 ◎ (この船が好きになった)

●もともと私は講師なんだから、JCメンバーとも一般団員とも距離を置いた9日間にすべきだと思っていた。
だから、自由時間にデッキでたくさん本を読み、秋に出す予定の本の原稿を書き、青空と大海原に包まれて音楽プレイヤーや携帯ゲーム機を楽しむつもりでそれらをスーツケースにしのばせた。

だが、何一つ使うことはなかった。いや、使う気にすらなれなかった。
彼らと距離を置くことなど、とてもできなかったし、他の講師の先生方と別行動する気にもなれなかった。

●特に後半、講師5名は「講師チーム」として一体化し、「研修委員会」のメンバーとも一体になって、よりよい研修づくりを議論し、リハーサルし、実行してきた。

●講師全員は全力を出し切った。自分の研修はもちろんのこと、本来は必要がない他の講師のリハーサルにも参加して一般団員のために研修の完成度を上げようとギリギリまで修正を加え続けた。
そして、最後には私の講座に北川八郎先生にも登壇していただき、壇上でコラボした。そして過去に例のない研修に仕上がった。

●一般団員430人にとって、9日間の朝から晩までの全生活が研修。全員を16チームに分け、一チームが27名程度になる。そのチームが運動会やフェスティバルでの勝利を目指してアイデアを練り、議論し、練習しする。意見の衝突や覇権争い、人間関係のもつれに船酔い、疲労などが加わる。

●そんな中で妥協してなれ合いになってしまうのか、互いに鼓舞し、助け合ってベストを引き出すのかはチームリーダーとメンバーの一体感がどれだけ取れたか、で決まる。
そしてほとんどすべてのチームが上質なワインのように熟成していった。

●そんな中で12コマ(24時間)の研修がある。波に大きく揺れる大ホール。430人がイスに腰かけることはできないので、床に直接座る。
そんな状態で2時間から3時間の講座がある。環境としてはこれ以上ないほど劣悪な研修環境だ。だからこそ、講師と研修委員会は知恵を出し合って受講者の関心と集中力を引きつけるような研修を企画運営する。
私は5人の講師の一人として3コマ半を担当し、「Wish List」から始まる目標設定の技術を指導した。彼らの多くは「Wish List」とその整理、行動計画書の作り方をすぐにマスターした。

●「Wish List」とは、自分がやりたいことを何でも良いから紙に箇条書きにするものだが、10分間で何個のWish Listが作れるかというコンテストをやった。
日本にいてもセミナーや非凡会などで5分コンテストや10分コンテストを実施するが過去最高記録は広島の岡本社長がもつ5分間で60個という記録。

●だが、「青年の船」で岡本社長の記録はあっさりと破られることになった。岡山淳君(33才、掛川市役所勤務)が10分間で146個も書き出したのだ。彼の記録を破るのは至難の業だろう。

<明日は他の4人の講師をご紹介したいと思います>