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豹変す

Faithグループ(東京都港区熊澤 修会長、小倉 広社長)のセミナーを受講した。同社が主張するミッション経営のすすめ方や事例を学ぶ三時間で、とても濃厚な時間を過ごすことができた。

経営理念の作り方、その浸透と共有のための方法など、いくつかの新しい気づきが得られたので、いずれまたご紹介したいと思う。

Faith セミナー → http://www.faith-h.net/

さて、小倉社長のセミナーでこんな言葉が出てきた。

「組織は成長ステージごとに、あたかも別な会社へと劇的に生まれ変わらなければならない。それに失敗した企業は成長カーブから脱落する」

私は、「あたかも別な会社へと劇的に生まれ変わる」という言い回しが気に入った。
単に「変わろう」、「生まれ変わろう」ではなく、劇的に、なおかつ、「あたかも別な会社へと」変わる必要があるわけだ。

あたかも別の会社のように生まれ変わった事例を先週の香港(和僑会)で、まのあたりにしてきた。
ここにご紹介する二人の経営者は、見事に生まれ変わり続け、ついには、一代で「推定資産100億超(未確認)」を手に入れたというのだ。

1.S社長(沖縄出身)の場合

琉球ガラス人気のブームにのって財を成す。その資金を元に香港に渡り、不動産投資にあてて更に大きな財をつくりあげた。
ご本人はニコニコしながら「運が良かっただけです」と言うが、断じてそんなはずはない。
琉球ガラス人気や、香港不動産の値上がりは誰の前にも同じチャンスが転がっていたわけで、それを掴んだ才覚は並ではないはず。
勇気と度胸と執念と、それらを支える事業哲学と。次回お目にかかって詳しくお話を聞きたい方だ。

2.O社長の場合

当時無名だったミラノのブランドバッグの販売権を買い、アジア地区でそれを大ヒットさせて財を成す。
それに安住せず、化粧品店や高級スーパーなどのチェーン展開を行って現在進行形で大成功中。
香港で今、もっともアポが取りにくい日本人の一人と言われるようになった経営者。

いずれも60才代。
その他、何人もの方がスケールの大きな成功をされているが、小さな事業の成功で種銭を作り、それを再投資して大きな事業へと発展させている点が共通している。

しかも、「あたかも別の会社のように劇的に変わった」。

社長の器が小さいと、最初の小さな成功あたりでウロウロしてしまうことだろう。舞い上がって浮かれたり、遊んでしまって人生を終える人もいる。

器の大きな経営者だと、最初の小さな成功は序曲に過ぎないと考える。
まだ成功のスタート段階なのだから舞い上がっているヒマもない。

その後の大きな成功とて、まだ発展途上の一部に過ぎないと思っておられることだろう。

それでも、大成功した彼らは以前より心と時間のゆとりがもてるようにもなった。そのゆとりを、若い人たちのために振り向けたいと思い、和僑会にも参加されるようになった。

先のO社長はある日の和僑会で、「私のコンピュータを押してみて下さい。何でも出てきますから」と語った。
果たしてその後、何人の若者がO社長を押しに行ったかは聞いていない。

『易経』の「君子豹変、小人革面」
(くんしはひょうへんし、しょうじんはおもてをあらたむ)という教えがある。

その意味は、君子は時に応じて、豹の毛が生え変わるように鮮やかに変化する。これに反して、小人は上の人に従う顔つきだけはするが、中味は何も変わらない、というもの。

今後、あなた自身とあなたの会社がどれだけ豹変できるかが勝負。
「小人革面」であってはならない。

豹変計画を作ろう。
まずは豹の絵でもオフィスに飾っておこうじゃないか。