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社員満足

社員はもっと我が社を売り込んでほしいと思っている。自分たちが所属している会社や部門がこんなにも誇りあるものだということをリーダーから聞きたい。

一番の説得材料は結果である。

客数が増えていて、競争相手を尻目に成長しているという結果を示してあげることができれば誇りがもてる。
また、顧客から寄せられた感謝の声などを知らせればテンションも上がる。

恋人から愛の言葉を欲するように、社員は顧客の賞賛に飢えている。
ある会社でこんなことがあった。

日本酒製造のA社では、かねがね社員満足度の向上が経営の重大テーマだと考えてきた。
そのために外部の調査会社を使って毎年一回、大々的な社員満足度調査を行ってきた。

数十項目に及ぶ社員アンケートと、抜き打ちインタビューの結果をまとめたレポートがA社長に渡される。

そして今年、『満足度ポイント』が85.2点に上がった。昨年は84.1だったという。

これで三年連続で満足度が向上したことになる。数年前まで続いた低落傾向を脱したようで、レポートの結果に満足したA社長だが、同時に今年も、昨年感じたものと同じような疑問を感じた。

点数が1.1ポイント上がったというが、その「1.1」って何なのだ?という疑問だ。

このままでは来年に向けてどのような政策をとるべきなのか、よく分からない。もっと社員の肉声を聞いてみたいとA社長は思った。

そこでA社長は秘策を思いつき、総務部長を経由して全社員に通達文を出した。

仕事の感想文を社長宛にFAXしてほしいというものだ。
タイトルはそのものずばり、「仕事の感想文」。

内容は、「最近うれしかったこと」と「最近、辛かったこと」、「その他自由感想」の三点のみ。あえてシンプルなものにした。全員がすぐ書けるようにという配慮だ。

その日以降、社員から続々と感想文が社長あてに寄せられた。

そして社長はその感想文を読んで驚くことになる。社長が想像していた以上に、いや、はるかその上に社員の意識はあった。

<明日に続く>