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会社と利益

経営理念やビジョンを社員に熱く語れる社長は多い。それはそれで立派なことだと思うが、それと同じくらい大切なことがもうひとつある。

それは、「会社とは何か」「仕事とは何か」「利益とは何か」「利益がなぜ必要なのか」「なぜ減益や赤字はいけないのか」を社員のDNAにすり込ませてあげることだ。

しかも、できれば中学生の子供にも分かる表現で語ろう。それを文章にしていつでも反復できるようにしておこう。

一例として「利益」について次のように書いてみた。形式は経営方針書の文章スタイルを取っているが、あくまでこれは一例なので、社長であるあなた自身の考えで書き直してお使いいただきたい。

利益とは

利益とは収入から支出を差し引いたものをいいます。

つまり、お客様から頂戴した代金(売上)から仕入代金や我々の給料やその他の経費を引いて、残ったものが利益なのです。

お客様が代金を支払うとき、喜んで支払っていただければ、そのお客様は次回も当社で買って下さるでしょう。
もし、不満足なものであれば、値下げを要求されるか、もしくは次回から他所で購入されるでしょう。そうすれば、やがては利益が残らなくなり、経費も出なくなるかもしれません。その状態を赤字といいます。

つまり、私たちがお客様に提供することができた満足やゴリヤクの分け前が私たちの利益だと言えます。
お客様の満足・ゴリヤクなくして我が社が利益を得ることはできないのです。

利益を得る人は誰か

利益は真っ先にお客様に得ていただくものですが、お客様に利益を得続けていただくためには、それを提供する私たちも利益を得なければなりません。

仕事によって得られた利益は、次の四者が分かち合うものです。

1.利益は社員が得る

利益をあげることによって社員の方々の待遇(収入や休日の増加、勤務時間の短縮、福利厚生や法定福利の充実)向上や、仕事の張りあい・やり甲斐、おもしろみの向上につながります。
他の会社と比較しても、待遇面で決して引けを取らない、社員が優遇される会社にしていきたいと私は思っています。
そのためにも私たちは利益をとても大切に考えているのです。

2.利益は会社が得る

利益をあげることで会社は、ちょっとやそっとのことでは倒産しない、経営不安に陥らない安定度の高い会社になることが可能です。
それには、会社の資産(現預金や土地建物、器具備品など)を充実させていきたいのですが、その原資になるのが利益です。

しかも目先の利益確保に走るだけでなく、長期的な発展のための製品開発や先行投資、人材投資のためにも会社には利益が必要になります。
このように、会社の安定と継続発展のために、私たちは利益をあげたいと考えます。

3.利益は株主が得る

株主には、決算期や半期決算の利益の中から「配当」をお支払いしたり、株主優待制度を充実させるなどで酬いていきたいと思います。

株主の皆さんに、我社に投資することが他の投資よりもメリットが多いと感じていただきたいと思います。そうすれば、株主になりたいという希望者がどんどん増えるでしょう。
将来的には、社員の皆さんの中から株主が誕生するような仕組みも作ってみたいと思います。社員でありながら、会社のオーナーでもあるというのは想像しただけで楽しいではありませんか。
社員も会社も、株主の皆さんがいるからこそこの会社が運営できているのだということを忘れてはならないと思います。
ですから、株主のためにも利益が必要なのです。

4.利益は社会全体が得る

私たちが一生懸命働いて得た利益の40%は税金として国や県や市町村に納めています。この税金が道路や橋や公共施設など、私たちが住みよい街作りのために使われていくのです。

個人同様、会社も地域社会の住民として、毎年税金を納める義務があるのです。もちろん、必要以上の税金を納めるつもりはありませんが、姑息な税金逃れなどせず、公明正大な納税で社会に利益還元したいと思います。

以上、四者のために私たちは毎期毎期、利益を出して分配していく目標があります。しかも増えたり減ったりする不安定な利益分配ではなく、着実に右肩上がりに利益を増やしていきたいと思います。

私たちが毎年、増収増益を遂げていくことは、世の中全体から見てとても有益なことだと考えています。
減益になるとか、赤字になるということは、すなわち以上の四者の誰も喜ばないことです。もちろんお客様のためにもなりません。誰ひとり喜ばないという意味で、むしろ、「赤字は悪である!」と言い切ってもよいと思います。

以上のように、私たちは利益の目標を掲げ、精進して参ります。

今日はこれまで。