「カシミア100%のコートを買う」という私のWish Listが、昨日消し込みされた。
これは、数百項目ある私のWish Listの一つで5年前くらいにはじめて書いたものだ。
「あれをしたい」「これがほしい」「それをしてあげたい」「こうなりたい」など、ある意味でWish Listとは人生のTO-DOリストのようなもので、買い物リストのような要素もある。
達成したらチェックボックスにチェックを入れる。一つのリストの消し込みが済んだかと思うと、翌日、一気に10個もリストが増えたりする。
だから永遠に、Wish Listは減っていかないがそれで良い。
読者からこんなメールが届いた。
「武沢さん、ついに今月私の Wish List の数が1,000の大台に乗りました。最初は100個書き出すのにフーフー言っていたのに、勢いが出だすともう止まらなくなって加速している感じです。この作業に取り組み始めてまだ一ヶ月なのに吾れながらビックリです。ところで、このあとWish Listはどのように整理活用すればよいのでしょうか」というものだった。
まず確認だが、Wish List作りの要諦は次の通り。
1.「もうありません」と思えるまで書き尽くすこと
2.否定的な表現は使わず、ポジティブに書くこと
3.やりたいことしか書かない。義務や責任はあっても、やりたくないことは書かない
4.公私混同大歓迎。わざわざ仕事だけのリストを作る必要はない。
5.リアリティある表現で書くことにより、欲望をかき立てる
書き尽くされたリストの数は個人差があるが、少なくとも200項目は超える。もしそれ以下しか出ないとしたらリストの書き出し方法に問題があると思って良い。
「外国へ行きたい」と書いてしまってはリストは一つで終わりだが、行きたい国を列挙すればリストは何倍にも増えるはずだ。
「良い会社を作りたい」と書いてしまってはリストは一つで終わりだが、良い会社とはどんな会社かを具体的にリストアップしていけば、それだけで何十項目も作れるだろう。
Wish Listに否定的な言葉は似合わない。
「資金繰りの苦しさから解放されたい」と書くよりは、
「毎月毎月、月末預金残高が増えていって通帳を見るのが楽しみになりたい」と書こう。
「山田君の遅刻をなくしたい」と書くよりは「定刻に全員が勢揃いして、元気よく朝礼を始められるようにしたい」などと書こう。
義務感や責任感によって「立場上、○○せねばならない」というようなリストがたくさん並ぶと、そのリストは見たくなくなる。
あなたが主体的にかかわりたいことだけを書いてテンションを高めよう。
我がWish Listを読みかえしたとき、それが心に響くものでありたい。
だから、「パリへ行きたい」と書くのではなく、「ルーブルでモナリザに対面する」とか、「シャンゼリゼのカフェでフランス女性とカフェオレを楽しむ」などと情景が思い浮かぶように書く。
そうすることで、「パリへ行きたい」という単調な表現が俄然、イキイキした臨場感あるWishに切り替わる。
さあ、リストは完成した。次にすべきことは、
・2008年版個人Wish List
・2008年版経営Wish List
の二つを作成することだ。
3×3の9マスの中心角には年度スローガンを書く。周囲の8マスには、個人版ならば「健康」「家庭」「人格」「学習」などの項目を書く。
経営版ならば、「理念とビジョン」「戦略と方針」「今期目標」「中期目標」「顧客創造」「人と組織」「開発」「その他」などの項目を書く。
Wish Listから転記するだけでも構わないし、文章表現を改めても構わない。
それをマンダラ手帳に清書する。
清書したマンダラ手帳を寝起きに毎朝黙読する。事情が許せば、音読しても良い。時間を見つけては読み返す。その箇所だけを拡大コピーしてトイレに貼ってもよい。
このように、清書した目標を読まないと、廊下にホコリがかぶるように目標にホコリが積もりだす。ついには、ホコリだらけになって廊下の色が分からなくなる。
書いたものを自分で読まなければ、すべての作業は徒労に終わるのだ。
「外的要求」に応えて作った目標を、「内的欲求」に置きかえるには反復が必須である。反復とは読み返すことや書き直すことである。
お坊さんが毎朝毎晩お経をとなえるように、黙読や音読をくり返すことによって、願望が目標におきかわる。
やがてそれは、我が欲望、我が使命、我が確信にかわっていく。
潜在意識を味方にして楽楽と勝利できる術とは、かくのごとくいたって簡単なものだ。その簡単さと単調さゆえに、多くの人はこの作業を軽視しているのである。