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レシピを変えよう

※今日の原稿には、最新映画の話題が含まれていますが、ネタバレの心配は
ありませんので、安心して最後までお読みください。(武沢信行)

「がんばれ社長!」というメールマガジンを発行しています。

と自己紹介したら、相手からこんな言葉が返ってきた。

「昭和の猛烈時代ならいざ知らずこの時代に「がんばれ!がんばれ!」というメッセージを発信するのはいかがなものでしょう。がんばれ!という言葉がかえって逆効果になる人が今はとても増えているのですよ。もう、がんばれ!の時代じゃないでしょう」

相手は若い男性セラピスト兼接骨師。

彼を紹介してくれた社長が、「行列ができるほど人気の接骨師だ」と言っていたが、その割には大した人物ではなさそうだ。
初対面の人に向かって、相手のやっていることをいきなり否定するような人物と口を聞く気はないので、名刺交換すらせずに、お茶が出される前に辞去した。

「がんばれ!」という言葉が逆効果になる人がいることくらい誰だって知っている。
だが、会社を経営する現役の責任者に対してまで、「がんばれ!」と言えなくなるほど日本中の社長が病んでいるわけではない。

社長はがんばれる人がやる仕事だ。

がんばりが足りないとか、がんばり方を変えなければならないと提唱するのがこのメルマガの立場である。
「がんばれ!」が逆効果であって、セラピストが必要な方はそちら方面のメルマガをお読みになれば良いのだと思う。

だが、がんばり過ぎて視野が狭くなってしまっている社長にとっては、ちょっと視点を変えてみるという意味でセラピーを受けるのも悪くないと思う。

「これしかない」と成功のイメージや成功のレシピを固定してしまってはならないからで、それを第三者との会話で気づくことは素晴らしい。

そんな出来事があったからか、こんな映画を観てきた。

ニューヨークの高級レストランの料理長ケイトは、腕前バツグンで完璧主義者。妥協は一切しないし、自分の料理に文句を言う客がいれば、角のホットドッグ店へ行け、と追い出す始末。
そんな彼女が仕事の合間にセラピーを受け続ける。

私が好きな女優キャサリン・ゼタ=ジョーンズが主演のケイト役を好演した『幸せのレシピ』だ。

「女が女の武器に頼らずに実力だけで第一線で働こうとすると、必ずといってよいほどぶつかる壁がある。それは、『女は120パーセント病』である。男が100なら120位仕事しないとダメ、という心理的束縛。そうしないと、やっぱり女はね、と陰口を言われ足を引っ張られてしまう」(白鴎大学・海原純子教授、心療内科医)とパンフレットにあ
るが、ケイトはその典型的なタイプだ。

「ランチは食べない」「人前では泣かない」「スイーツは食べない」など、自分のルールを幾つももち、それをかたくなに守ろうとするケイト。ところが、姉の子ゾーイとの共同生活と、自分の部下として雇われた男性副料理長のニックの出現が彼女の幸せレシピを変えていく。

パンフレットによれば、この映画をおすすめしたいのは次のような方だという。

・自分の仕事は完璧にしたい
・プライベートを優先させるのは後ろめたい
・甘えている自分は嫌い
・楽をしていると不安になる
・人に弱みは見せたくない
・自分で決めたルールがある
・泣くときはいつもひとりだ

料理にレシピが大切なように、幸せにも成功にもレシピが必要だ。
そして、たまには、「これしかない」と思っているレシピを思い切って変えてみるのも良いかもしれない。

毎年同じような経営計画書を作って、テンションが上がらなくなってきた社長は、たまには経営のレシピを思いきり変えてみよう。

レシピはどれ位変えればよいか?

それは、ケイトくらい変えればよい。

『幸せのレシピ』
http://wwws.warnerbros.co.jp/noreservations/jpspecial/index.html