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明るい希望を

安倍首相も、ある程度の敗北は覚悟していたろうが、よもやこれだけの大敗を喫するとは・・・。自民党に対する「NO!」の声、その逆風のおかげで各地で自民の大物議員が落選し、話題の候補者たちも苦戦した。
比例代表の名簿がなくなるほど大勝した二年前の衆院選挙時と、隔世の感がある。

昨年9月に発足した安倍内閣にとって、わずか一年足らずで国民が下した審判は相当厳しいものだった。
その責任をとって安倍首相が辞めたいのならばしようがないが、辞めたくないのであればもう少し仕事をさせてみたい人だと私は思う。

さてと、今日は政治の話をしようというのではない。

昨年発足した安倍政権下に新設されたポストに、イノベーション担当大臣というものがある。高市早苗(たかいち さなえ)議員が大臣を務め、7名の有識者委員で「内閣府 イノベーション25 戦略会議」を開催。約8ヶ月かけて中間とりまとめを行った。

その内容は、「骨太方針2007」に反映され、さっそく来年度から実現に向けてスタートを切るという。その「イノベーション25」のとりまとめ内容の一部がマンガになって書店販売されているのをご存知だろうか。

タイトルは『2025年 伊野辺家の1日』(PHP研究所)。原作者は、委員の一人・江口克彦氏で、マンガの作画は藤井龍二氏。

2025年といえば18年後。こんなことが出来たらいいなぁ、こんな世の中になったらいいなぁ、という夢をイノベーションによって実現させようという次第。

日本の未来はこのように変わる。

私が読んで印象的だった箇所を紹介しよう。
( )内の年数は実現可能時期。

・バーチャルカンパニー
オフィスをもたず、インターネット上で行う年商1000億円までの会社(2013年)
・カーシェアリング
道路交通需要をコントロールする技術によって、高精度な渋滞発生予測が可能に。
また、都市生活者にとっては、自動車の個人所有が必須ではなくなるカーシェアリングシステムが登場(2019年)
・交通事故減 追突防止システム 事故防止・故障予知などのシステム。また、事故回避のシステムを組み込んだ自動車の自動操縦システム。(2016年)
・外国人労働者との共働
多国籍化した大企業では、管理職・専門職の3分の1以上が外国人を活用するようになる(2016年)
・三大疾病をはじめ、難病とされる多くの病気が薬物療法、遺伝子治療、細胞治療、再生医療でほぼ治る時代がくる(2030年までに順次)
・介護ロボット
人が行う介護の多くがロボットによって代用される(2020年)
・遺伝子情報診断
遺伝子診断によって、病気にかかりやすいか否か、どのような対策が今から必要なのかを早期診断できるようになる(2020年代)
・リタイアの充実
芸術や文化活動などを安価で楽しめるシニアが充実した生活を送れる社会の創出(2014年)

以下、キーワードのみ。

・日本の照明はすべてLEDになり、エネルギー消費量は今の半分に
・いじめの減少
・外出先の子供の安全を見守るセキュリティセンサーとGPS
・コンパクトシティ
・200年住宅
・災害予知システムと耐震技術の飛躍的向上

・・・その他、たくさん

『2025年 伊野辺家の1日』

このマンガ、イノベーションがテーマだけにやや技術偏重になっており、国際社会における骨太な日本の未来像も見てみたい気がする。

でも、とりあえず将来に対して明るい希望がもてる本なので、経営者もお読みになり、自社の未来をこのような視点で描いてみてはどうだろうかとご提案したい。