ふだんは見ない閉会式。
決勝戦で静岡県の常葉菊川高校に惜しくも敗れて準優勝した我が故郷の大垣日大高校。
選手や監督の雄姿を最後まで見送りたくて閉会式を最後まで見た。その閉会式の感動に色を添えてくれたのが、「もう一つの甲子園大会」の女子高校生だった。
青森県 弘前高校2年生の三浦友里さん(17)が、今年の選抜高校野球大会の開・閉会式で司会者だった。高校生アナウンス部の第一人者として、彼女がこの大役に抜擢された。その朗々とした声が甲子園球場全体に響き渡り、若さと気品が相まった見事な司会ぶりだったのだ。
アナウンスとか司会という仕事も単に「上手」という粋を超えてくると、こちらの胸を打つことが分かった。録画しておけばよかったと思う。
三浦友里さんの紹介記事
http://www.mutusinpou.co.jp/news/07030802.html
アナウンサーといえば・・・
「立ち読みで一冊の本を読み終える、なんて信じられない。もともと本を読むのが人並み外れて遅く、そのせいかどんなに素晴らしい本でも同じ本を何度も読み返すなんてことは、やりたくてもやれなかった」という人がいる。
ランチェスター経営株式会社の代表であり、中小企業コンサルタントとして全国的に名高い竹田陽一先生(福岡県、69才)だ。
こんなエピソードがある。
竹田先生が26才の頃、建材営業の出張先の書店で何気なく手にした本が『私はどうして販売外交に成功したか』(フランク・ベドガー著、ダイヤモンド社)だった。
帰りの汽車でこの本に夢中になり、とりことなった。万年筆や赤えんぴつで線を引き、毎年年末には新品を買って正月休みに読み直し、自身の戦略に応用するという熱の入れようが続いた。
『私はどうして販売外交に成功したか』
数年後、竹田先生が東京商工リサーチに転職し、営業成績日本一をめざす決心をする。自らの営業力を高めるためには、読書による営業の勉強と同時に、当時すでに名を馳せていた営業の第一人者が福岡で講演するとあらば、万難を排して受講するようにした。
だが何を学習してもベドガーの一冊の本にはかなわないと気づく。
そこで、竹田先生はベドガーの本を自らの血肉とするために、別の作戦を考案した。
それが、アナウンサーによる本の朗読だ。素人がたどたどしく朗読したものを録音しても学習効果が弱い。プロのアナウンサーに本の朗読をお願いしようと考えたのだ。
半年後、福岡で偶然、熱心なアナウンサーと出会う。彼に事情を説明し、一冊の本を丸ごと朗読してもらうことにした。録音時間は6時間に及び、費用は昭和40年代前半当時のお金で10万円支払ったという。
大卒初任給が3万円弱の時代だから、物価換算すると今の70万円程度だ。
それだけの投資をしてまでもベドガーの本をマスターしたかったのだ。いや、日本一になりたかったのだろう。
録音にあたっては、あえて読み出しの部分でこう語ってもらった。
「このテープは、フランク・ベドガーの『私はどうして販売外交に成功したか』の本を、竹田陽一のために朗読したものです」
このテープで繰り返し学習するうちに営業技術が向上し、モティベーションも持続するようになっていった。
やがて、1400人いた社内でトップの営業成績を上げる。転職前には自信をなくし、失業して生活にも困っていたことを思うと夢のようだったという。それはひとえに、この朗読テープにあった。
この方法に味をしめた竹田先生。次々と自分専用に朗読をお願いするようになる。
今まで読んでもらった名著の一部を先生の自著『プロ☆社長』(中経出版)で32冊公開されているが、そのうちのまた一部をここでも紹介しておこう。
・『人を動かす』『道は開ける』 D・カーネギー
・『フランクリン自伝』 フランクリン
・『成功哲学』、『巨富を築く13の条件』 ナポレオン・ヒル
・『現代の経営』、『創造する経営者』、『経営者の条件』、『マネジメント(上)(下)』、『未来企業』 ドラッカー
・『経営コンサルタント入門』 田辺昇一
・『自助論』 スマイルズ
などなど
詳しくは 『プロ☆社長』(竹田陽一著)
竹田先生のこの本には、ごていねいにも朗読に値するような本の見つけ方からアナウンサーの探し方、朗読用の原稿の作り方や、今の朗読料金相場にいたるまでことこまかに解説されている。
ご興味のある方はご一読を。
今日は、「本の朗読」という作戦をご紹介した。