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アンケート作戦をやめた


近所に新しく完成した賃貸マンションのパンフレットをもらいに行ったら、住所・氏名欄付きのアンケートを求められた。

「え!パンフレットが欲しいだけなのに、いきなり」とは思いながらも、しぶしぶ記入した。

こうしたアドレスほしさの営業作戦に辟易しているお客はゴマンといるに違いない。
いっそ、みえみえのアンケート作戦などやめてしまえば、もっと多くの見込客がショールームやモデルルーム、自動車ディーラーなどへ足を運ぶと思うのに。アンケート作戦そのものが、人々の来店を阻害している可能性を考えたことはないのだろうか?

そんなことを感じていたら、『プレジデント』2007 3月5日特別増大号に次のような記事を見つけた。
やっぱり同じようなことを感じている人はいるのだ。
うれしいことに、マンション販売業者の社長がそれに気づき実行したというから立派だ。以下、武沢の意訳にて記事の内容をご紹介する。

・・・
大阪のマンション販売会社ピルプワーク(石田明美社長)は、女性を中心としたマンション販売のスペシャリスト集団だ。
社長の石田は、マンションを売ろうとする”販売促進”ということばをやめ、発想を変えて、お客の方がマンションを欲しいと思ってもらえる”購買促進”という売り方にスイッチすることにした。

まずモデルルームに足を運んだ客が、自分の名前や住所などを記入するアンケートを不要にした。
気軽に世間話などをしながらお客との心理的距離を縮め、客と販売担当者の間で「相談できる信頼関係」をつくることことが先決だと考えたのだ。
いったんそうした信頼関係ができてしまえば、お客は必要に応じて自分から、名前や住所などの連絡先を告げることも少なくない。

また、モデルルーム内における接客は、まさにテーマパークのアトラクションと言っても過言ではないほどだ。
たとえば、浴室の広さを説明するときには、販売スタッフ自らバスタブに入り、足を伸ばしながらこう語る。
「ご主人が帰宅されて、こうして湯船でゆっくり足を伸ばされると、いちにちの疲れの取れ方も全然違いますよね」

その後、お客も実際に湯船に入り、その大きさを体感してもらう。そうしたおとなの様子をみている子ども達の笑い声やはしゃぐ姿も見られるが、それこそがテーマパークなのだ。

テーマパークから帰路へ着くとき、「また来たい」と思うのと同じように、マンションのショールームも「また来たい」と思っていただけることが大切。

こうした取り組みが「販売促進」という視点とは真反対の、「購買促進」の営業である。
・・・

というような内容だった。

★プレジデント http://www.president.co.jp/pre/index.html

事実、ピルプワークではこうした姿勢がお客から評価され、世間が冷え込む「二八(ニッパチ)」などとは無関係に成績を伸ばしているという。

もっと大胆にお客指向してみる。「ほしい」「来たい」と思ってもらえる方法を開発しよう。