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中高年になってからの早期退職・リストラは大チャンス

50歳で新聞記者を辞めてコンサルタントになった。当時200万円台だった年収はその後数年で50倍の1億円に跳ね上がった。

「だから50歳からでも遅くない。いや、僕の経験では50歳からの起業ほどおもしろいものはないね。今までの経験や知恵が全部活きるような生き方をすればね」

そう語る「通販の神様」白川博司(しらかわ ひろし)先生の後半生が本になった。パンローリングから1月21日に発売されるもので、『50歳からの個人起業でもう一花咲かせたいときに読む本』(白川博司著)という。予約注文だけで Amazon 上位20傑に入った。

知人の紹介で白川先生に初めてお目にかかったのは2006年だった。話題は仕事オンリーで冗談も言わない。そんな仕事本位の白川先生が、別れぎわに私のカバンを見た。文庫小説が顔を出していたのだ。

「ほぅ司馬遼太郎ですな?」と言う。「そうです、大好きなんです」と私が言うと「僕もそうですよ。ところで武沢さんは、それをいつお読みになるんですか?」と聞く。一瞬イヤな予感はしたものの私は平然と「このあとの新幹線の楽しみは缶ビール片手にこれを読むことです」と言った。すると先生は私をさげすんだ目で見ながらこう言われた。

「あなたは優雅ですなあ。僕なんかは移動中も仕事ですよ。僕のように移動の多い人間にとっては車中でもなにかを生産しないと追いつかない。自分が決めた仕事をやり終えるまで僕は決して小説も週刊誌も読みません。缶ビールなんてもってのほかです。本当は小説家になりたいぐらいに小説が好きですし、大がつくほど酒は好物ですがね」

あ然とする私を置いて「じゃあ失敬!今から九州へ飛ぶので」と去って行かれた9年前のそのセリフを今でも憶えているということは、かなり心にチクリときたのだろう。

その当時白川先生の顧問先は40社に達し、年収は1億円を超えていた。しかもその後も何年かそれが続いた。最近は健康のことも考慮して顧問先を調整しているそうだが、それでも年収5,000万円は下らないそうだ。

世間では、起業は若いほど良いというが、若ければ良いわけでもない。若さゆえの無謀さや稚拙さが顔を出すとケガをする。若さの特権とは多少の無謀さは許容される傾向にあることと失敗から回復する時間が残されていることだろう。そういう点では50歳からの起業に失敗は許されない。

しかし、今までの経験や知恵が活きる仕事を見つけ、それを必要としている人に届けることができれば人生は50歳からの方がおもしろいという白川先生の意見に私も賛同する。ただしそれには自分を律する覚悟とワザが要る。それが出来ないと、家族を養うことだけが目標になり下がってしまったり、それすらもできないニート・フリーターとあまり変わらない起業家になる。

いままで通販のことしか語ってこられなかった白川先生による初めての自伝的人生論がここにある。

1/21発売    白川博司 (著)、パンローリング
『50歳からの個人起業でもう一花咲かせたいときに読む本』
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4176