以前、東京で借りていた西新橋のマンションあたりだろうか。江戸時代の愛宕下(あたごした)に日影町という町があった。そこには多くの刀剣商が軒を連ね、買い物をする武士でにぎわった。応仁の乱以降 150年続いた戦国時代に幕引きをしたのが徳川家康で、彼がつくった江戸幕府は 260年以上の長きにわたって日本を支えた。その間、武士にとっての刀は、実用品から徐々に嗜好品、装飾品、そしてステータスシンボルなどへ役割を変えていった。
しかし、ペリー率いる黒船艦隊が日本に来てからは様相が一変した。すぐにでも戦争が始まりそうになったのだ。しかも、てっきり相手は異人さんだと思っていたら、内政が乱れ、倒幕運動が西の方から起こり始めた。それを弾圧したが収まりきらず、ついに長州征伐、戊辰戦争へと、日本を分断する戦に広がっていった。そうなると再び愛宕下の日影町がにぎわいだした。今度は装飾品ではなく、実用品としての刀がガンガン売れ始めたのだ。
殺到する買い物客は武士ばかりではない。いかにも地方から出てきた農民のせがれのような若者が目立つ。幕末動乱のどさくさで、にわか武士が輩出されていたのだ。そのなかに近藤勇や土方歳三らが混じっていた。『燃えよ剣』で司馬遼太郎は、土方に愛宕下など江戸中を歩き回って「和泉守兼定」という刀を探させている。歴とした名刀である。土方は姉夫妻から無心した金でこの名刀を手に入れ、それを腰に差した瞬間、歴史に名をつらねる新撰組副長・土方歳三が誕生したとされる。その後、土方の「兼定」と近藤の「虎徹」は多くの血を吸った。ボロボロになって何度も刃研ぎし、使いつづけられた。道具として、これほどの醍醐味はなかろう。
私たちにとっての刀とは、手帳か、ノートか、ペンか。はたまた、スマホやパソコン、タブレットだろうか。いずれにしても、兼定や虎徹のように道具としてタフに使い込んでやりたい。道具を愛でてばかりいて使い込むのを怠ると「玩物喪志」(がんぶつそうし)になる。
「玩物喪志」 → http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4144
道具は立派でも全然使っていない人や、道具の使い方が分からず、道具を錆びつかせている人もいる。要するに剣術をマスターしていなければ、いくら剣が立派でも意味がない。
迂遠な話をしたが、現代版「正しい剣術マスター」のセミナーが、「がんばれ!社長」主催で開催される。正式名称「仕事力倍増セミナー」である。手帳やスマホに投資するのは大いに結構だが、それを活かしきるだけの剣術(仕事力)が備わっていなければ剣が泣く。目標を達成する仕事術をマスターしよう。それが「仕事力倍増セミナー」を開催する主旨である。
仕事力倍増は、「Nozbe 編」と「Evernote 編」の二回で完結する。
「Nozbe」(ノズビー)とは、To-Do リストを管理するアプリのことだが、私はこのアプリに限定してはいない。目的は、パソコンやスマホを使って経営計画や人生計画などの目標を達成する仕事術をご伝授すること。あなたが日頃お使いのアプリが他のものであれば、それでも結構。一段も二段も高次元に使いこなす方法をお伝えする。
「Evernote」(エバーノート)とは、メモや画像や日記など、何でもほうり込んでおいて整理整頓もできる「デジタル版何でもノート」だ。すでに使いこなしている方も多いと思うが、今回のセミナーでは、経営者向けに「経営計画書を作るための Evernote 術」と「経営計画を実現するための Evernote 経営術」をご伝授する。
いずれも本邦初の企画と自負している。今、ホームページが完成しているのはこちらだけ。
・1/28(水)名古屋 仕事力倍増ゼミ1 「Nozbe 編」
→ http://www.e-comon.co.jp/session/?p=4628
名古屋の Evernote 編は 2月18日(水)開催で、ホームページは近日完成する。時間はすべて 14時から 18時まで。
また、東京開催は、
・2月 26日(木)Nozbe 編
・3月 26日(木)Evernote 編
大阪は、
・3月 13日(金) Nozbe 編
福岡は
・5月 29日(金)Nozbe 編
札幌は
・7月 17日(金)Nozbe 編
を予定している。入力作業を伴うセミナーのため、ノートパソコンの持参が必須となる。タブレットだけ、スマホだけという参加は不可。定員は 10名で、いずれも近日に募集開始する。もちろん、紙の手帳との併用も可能である。このセミナーに参加してあなたのパソコンやスマホを「兼定」、「虎徹」クラスの名器に変えようではありませんか。