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読書力

昨日は二度目のオープンオフィスイベントの日だった。
午後1時半から7時までの間、ノーアポで来客を歓迎するというこのイベントは、今のところ虎ノ門の東京オフィスだけで実施している。
(次回は10月17日予定)

「一日中、誰も来なかったらちょっと寂しいなあ」という気持ちと、「オフィスに入れないほど人が集まったらどうしようか」という気持ちが交差する開店初日の商店主のような気分だ。

幸い昨日も盛況で20人を超える方々がお越しになった。イスが足りない時間帯もあってひと安心。「やって良かった。またやろう」と思う瞬間だ。

「がんばれ社長!」を創刊時から読んでいるという方から、二週間前に読み始めたばかりの方まで。
また、創業して25年の間に自社ビルを何本ももつ会社を作られた経営者から二ヶ月前に独立したばかりの新人社長の方、本の編集一筋20年というベテラン編集者、外資系コンサルティングファームで活躍するすご腕コンサルタントなどなど、参加者も多士済々で楽しかった。

ある参加者から、「武沢さん、今までで二回以上くり返して読んだ本って何冊くらいありますか?」と聞かれた。

指を折りながら私は、
「そうだねぇ、まずドラッカーのあれでしょ、カーネギーのあれ、司馬遼太郎のあれとあれとあれ、漱石のあれ・・・」
結局10冊ほどしか思い出せなかった。実際にはもっとあるだろうが、いずれにしても少ない。これって良いことなのだろうか?
読む本が多すぎて、大切な本を再読・再々読することを怠っていないだろうか。

かねてより私は、自己啓発の成功が人生の成功だと思っている。特に読書力の有無や強弱がその人の未来を大きく左右するとまで考えている。

その読書力とは、質と量の積ではないだろうか。

まずどれだけ本に接するか、親しむか、たくさん読むかという冊数(量)の問題を解決しよう。
本を読む習慣づけや、読書時間の捻出法、速読法など効率的な読書術を身につけること、などによって量の不足を補い、強化する必要がある。そのためには、

・読書友だちをもつこと
・行きつけの書店をつくり毎日のようにのぞく
・雑誌や新聞の書評や書籍ランキングに目を通す
・読書メルマガを購読する
・読書記録を付ける
・速読法をマスターする(誰でもできるはず)
・規則正しく読書時間を確保する

などによって読書に対するモティベーションを強化し続けよう。

次に「質」という観点だが、これは質のよい本を読もうというだけではなく、対象ジャンルが偏らないようなマネジメントも大切だ。

あなたが読むべき読のジャンルは広いはず。

専門分野の本(専門書)から始まって、ビジネス、経営、自己啓発、哲学・思想・心理・宗教、芸術、健康、コミュニケーション、時事、政治・経済、金融、資格取得、趣味・娯楽・教養などなど、あなたの興味関心の対象すべてに本が待ち受けている。

気分のおもむくままに衝動的な読書をしていると本の傾向が偏ってしまうのだ。だから年間読書計画をたて、読書ジャンルの配分に対しても計画性をもちたいものだ。

読書力は質×量だ。価値のない本をいくらたくさん読んでも読書力の向上にはならない。逆に、読破するのに何週間も必要とするようなハードな本と格闘することはとても大切だ。

そこで読む本によって次のような点数を付けてはどうだろう。

・軽くサクサク読み通せる本 1点
・結構難解な専門分野の本 5点 (最近の『富の未来』など)
・熟読・再読の価値ある本の反復 10点

このようにすれば、いたずらに冊数ばかりを追いかける読書に歯止めをかけられるはずだ。
サクサク読めないような本を何冊よんでいるか。それと、再読に値する本を何冊もっているかがあなたの読書力を高めてくれる。

まずは読書記録を手帳に付け、現状の読書力をありのままにみてみよう。