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欠点と魅力

新幹線の新横浜駅のホームで何気なく車窓をながめたら、元読売ジャイアンツのエース投手が立っていた。
「かっこいいあぁ」と思いながら野球に思いを馳せる。

日本ではジャイアンツ、アメリカではヤンキースはそれぞれ球界の盟主であり、強くて歴史があり、入団できた選手はそのユニホームを着られるというだけで誇りに感じたものだろう。

しかしいくら巨人ファンとはいえ、巨人に入ってもレギュラーが取れそうもなければ、他のチームを選んだ人もいる。巨人のユニホームを着ることと、一軍で活躍することとを秤にかけたのだろう。

「巨人が強いから入る」という選手がいる一方で、「強いから入らない」という選手もいるということだ。
これは、社会人の企業選びにも通ずるところがありそうだ。

最近転職したばかりというAさんとの会話。

武沢「転職されてから表情が変わりましたね。きっと良い会社に入ったのでしょ」
Aさん「ものすごくやり甲斐があります。でも会社は問題だらけです」
武沢「え?問題だらけなのにやり甲斐があるとはどういうことですか」

彼曰く、問題だらけだからこそやり甲斐があるというのだ。
社内の人間関係はバラバラ、営業力は弱い、会社のビジョンもない。
親から会社を継いだ新社長が、会社を良くしたいとがんばっているが、古参社員らの”抵抗勢力”があって改革がすすまない。
Aさんはこの社長の味方になって手助けしたい、ひと肌脱ごうと思ったらしい。

人材が入社したがる会社とは、欠点がない会社のことではない。

欠点のないことより、魅力があることの方が大切だ。むしろ欠点はあったほうが良い。

先のAさんの場合、彼がこの会社に感じた魅力とは

1.この会社の製品の魅力(独自の自社開発製品がある)
2.経営者の魅力(応援したいという気になる人柄)
3.自分の居場所(どのような貢献ができそうか想像できる)

欠点ばかりの会社だと分かっていても、Aさんはこうした魅力に惹かれて入った。

あなたの会社の長所・短所を考えてみよう。

短所を矯正するのではなく、長所を思いっきり伸ばそう。バランスをとろうとせず、おもいっきりバランスを崩そう。

できることならば、人から「愚者」と呼ばれるほどに魅力と欠点の関係をアンバランスにしてみよう。