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トラパンツ

秋田に「トラパンツ」という名前の会社がある。名前は風変わりでユニークだが、活動内容もやはりユニーク。
だが、どっこい、長谷川敦社長以下スタッフ全員が気骨にあふれた仕事をしている。トラパンツの本業は、WEBサイトの企画・制作・管理・運営で、秋田県庁の公式HPを始め、県内の大学や水族館などをことごとくコンペで競り勝って受注している。

株式会社トラパンツ http://www.torapants.co.jp/ 

私が「トラパンツ」と長谷川社長に興味をもったのは、二年前に東北非凡会でお目にかかった時からである。そのとき聞いた、同社が本気で取り組んでいるNPOが印象的だったのだ。まず、一気にご紹介しよう。

1.イーストベガス推進協議会 
http://www.eastvegas.org/ 
 「秋田にラスベガスを創ります!」と言い始めて早10年目、氏が22才のときから取り組んでいることになる。長谷川氏はこの組織のチーフディレクター&代表である。

2.プロジェクト サスペクツ
http://www.suspects.jp/ 
 ミステリーツアーなど、ライブロールプレイングゲームを企画提供している。観光客をホテルに集め、その初日に殺人事件がおきるという設定など、次回(今夏)で10回目になる。

3.秋田市全域を舞台にしたライブ警察ごっこ 「大捜査線」

 秋田では定番になっているらしいが、秋田市全域とネットを使った大規模な警察ごっこ。延べ1500人くらいが刑事希望者として参加してきたというからすごい。

4.トトカルチョマッチョマンズ

 もともとの母体となった組織。田舎だけどみんなして楽しい街に創り変えようぜ!ということで10年前に立ち上げたもの。

長谷川社長にインタビューした。

武沢:さっそくですが、生年月日をお聞かせください。
長谷川:1973年6月15日、秋田生まれの秋田育ちです。

武:社名の由来は?
長:詳しくはサイトで説明しましたが、かいつまんで。もともとは、『虎パンツ工業高校』からきてます。小さいときに、お寺や田んぼ、広場で子供野球をしましたよね。あこがれはタテジマのタイガースのユニフォームであったり、池田高校やPL学園だったり・・。ちびっこベースボーラーたちはそれぞれの憧れを自分に映し、野球だけでなくそれ以外のいろんなことを覚えながら楽しい少年の日々をおくっていましたよね。
武:なつかしいなぁ、私もそんなときがありましたよ。
長:その当時、所属したチーム(というか一団)が「虎パンツ工業高校」という名前でした。夢や憧れ、希望や未来、最高の仲間たちがいっぱいつまってる名前なのです。
ちなみに虎パンツ工業高校の校歌は、当時の池田模範堂のCMの「ムヒーが丘にーカユミを止めてー池田池田模範堂~♪」でした。
当社のサイトでは、その楽曲が聴けるようにしてあります。

武:なるほど、すごく愛着がある名前なのですね。
長:僕のなかではこの名前の意味合いは、「人間の夢や希望でできたハイスクール」という意味です。しかも工業高校というところがポイントです。工業高校に特有(特に男子校)の、決して後ろ向きではない悲哀ニュアンスを内包しております。ただし吟味検討の結果、「工業高校」はカットすることになってしまいましたが・・。

武:なるほど、子供のころの「未来に向かって行くワクワク、ドキドキ」する感じを、大人になって会社でもやりたいということですね。
長:そうです。みんなで「勝利=夢の実現」に向かって夢中になりたいという強い思いから起業を決意しましたので、是非ともその思いを社名で表現したいと、「株式会社トラパンツ」にいたしました。
「虎パンツ工業ジャパン」とか、「虎パンツ工業ジャパンジャパン」なども考えましたが、親・親戚・友人・知人・最後にはスタッフにまで猛反対をあびて「株式会社トラパンツ」に落ち着きました。それですら、知人たちは皆、最初この社名を冗談だと思っていたらしいです。
 

発想が柔らかい長谷川さんとのインタビューが続く。

武沢:理念やビジョンをお聞かせ下さい。
長谷川:秋田を発展させ、面白い地域にしていきたい。50年後には、日本の代表的都市として、京都、奈良、東京、秋田というような認識を外国人にも持ってもらえるようにしたいのです。

武:今の会社やNPOの活動はすべてそのためにあるということですか?
長:そうです。秋田を面白くしたいという仲間だけが集まってトラパンツを設立しました。そのときは、事業内容はなにも決まっていなかったのです。みんなが集まってから「何をやろう」と相談してました。結局ホームページの仕事をやろうと決まったのですが、誰一人としてホームページを作れる社員がいませんでした。

武:それでよく仕事になりましたね?
長:いや、だからこそホームページが作れないことがハンデにならないようにしようと思いました。秋田を良くしたいという願いと、それを他府県の皆さんにどうしたら分かってもらえるかという知恵や企画が当社の売りものだと認識したのです。

武:トラパンツとしての理念やビジョンはありますか?
長:はい。「夢のド真ん中へ」という企業理念のもと、「5ヵ条の宣誓」を内外にしています。
 顧客を最も大切に考えます。
 好きなことをしてメシを食う幸せ
 何をやるか、ではなく、誰とやるか
 天才的なバランス感覚
 パイオニアとしての気概

詳しくは述べませんが、みんな同じ方向を向いてがんばっていますし、おかげさまで業績面でも高い成長率を維持しています。

インタビューの後、オフィスを訪問してふたたびビックリした。経営管理の原則をきっちり押さえているのだ。トラパンツ式経営管理手法とでも言うべきもので、パワーポイントを使って月次と年次の決算分析検討を全員で行っているのだ。そのファーマットが実によく出来ている。そのあたりもいずれはご紹介してみたい。

株式会社トラパンツ http://www.torapants.co.jp/