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会社の動体視力

スポーツでは、「動体視力」が大切だと言われる。「動体視力」とは、移動するひとつの目標物を連続して追い続ける眼の能力をいう。
野球のバッティングでは、ボールに眼を追従させる能力がこれにあたる。

だが、動体視力だけが優れていても十分とはいえない。「眼球運動能力」も大切だ。サッカーのゴールキーパーがセンタリングを受けたとき、瞬時に移動するボールや相手選手にすばやく視線を動かす眼の運動能力のことを言う。

それに似たもので、「周辺視力」と言うものもある。要するに視野の広さと的確さである。
さらには、「瞬間視力」がある。移動または静止する目標物に対して、瞬時にフォーカスを当てる能力だ。
「ボールが止まって見える」と豪語した川上哲治選手は、きっと瞬間視力が異常に高かったのだろう。

以上のものが渾然一体となって競技能力をサポートしている。

整理すれば、スポーツ選手に求められるものは運動技能だけでなく、
・動体視力
・眼球運動能力
・周辺視力
・瞬間視力
なども大切なのだ、ということ。

では会社経営はどうだろう?

変化に対応できる会社のことを次のようにたとえることがある。

・作業しながら作業のやり方を変えることができる
・車の運転をしながらタイヤ交換ができる
・計画を実行しながら計画を変えることができる
・・・etc.
いずれも矛盾した話に聞こえるが、要するに迅速かつ柔軟に変化に対応していく組織を目指したいものだ。

そのためには、計画→実行→評価→対策→計画→・・・と続くマネジメントサイクルがどの程度機能しているかどうかがポイントだろう。

可能なかぎり短い頻度で計画と実績の誤差を把握できなければならない。翌月になって受け取った月次試算表を見なければ実態がわからない、という状態をいち早く卒業し、週間もしくは、日間でも必要な実績値が手に入る状態を作ろう。それをもとに、対策を講じるのだ。

また、アイデアが浮かんでから実行に移すまでのリードタイム(準備時間)がどれだけ短いかも重要だ。
なぜなら、今日のグッドアイデアは明日もグッドアイデアであるとは限らない。鮮度が落ちないうちに実行してこそ、アイデアだ。

変化にもっともよく適応したもの生き残る、とダーウィンが「種の起源」で結論づけたように、私たちの会社も変化に適応できる俊敏さと柔軟さが欠かせない。

会社全体の変化対応力を高めるのに必要なことを紙に書き出し、一個ずつ着実に実行していこうではないか。