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続・上海レポート

小南国(しょうなんごく)

「昔はもっと気楽に声をかけられたのに・・・。今では彼女からオーラが発散していて、近寄りがたい雰囲気すらする。8年前は、たった2店舗で30名位だった従業員が、今や10店舗・3千人を越え、レストラン以外にもいろんな業種を手がけて成功している。“若き上海レストラン女王”とでも言いましょうか」と語るのは、小南国を昔から知るIさん。

「小南国の社長が成功したのはなぜだと思いますか?」と私が尋ねると、

「とにかく昔からホント(力を込めて)に一生懸命働いていた。材料選びから料理方法、サービスの提供に至るまで、細かいところにこだわりを持ち、手抜きや妥協を一切しない。それも、中国人の嗜好をトコトン知り抜いているからこそ出来る芸当でしょうね。『尽心をもって急と為す』というように、心を尽くすことが立派な武器になるということでしょう」

「なるほど、そんなに一生懸命なんですか。機会があれば、『がんばれ社長!』でご紹介したいので、一度会わせていただけませんか?」とIさんにお願いすると、

「聞いてはみますが、とにかく取材とかインタビューとかが大嫌いな社長で、マスコミには登場しないので有名。社長自身が有名になってもしようがないと割り切っているのでしょう」

観光客はもちろん、現地の人々にも愛される「小南国」、行ってみるべし。

一風堂(いっぷうどう)

その小南国と合弁会社を立ち上げ、中国全土にラーメンチェーンを築こうとしているのが「一風堂」(力の源カンパニー 河原社長、福岡)だ。日本でも爆発的な集客力を誇っている。

今月下旬に上海市内に一号店を出店。その規模は異例の大規模330平方メートル、約300席を予定しているという。小南国との合弁企業は資本金100万ドルで、出資比率は小南国60%、力の源が40%。上海を拠点にしつつ、2007年までに30~50店舗の出店を予定している。将来的にこの中国プロジェクトはスープなどの素材工場や製麺工場も現地に開設するという壮大なもので、私の手元にある「ウォーカーチャイナ」誌によれば、今年の春から上海に妻子を帯同し、家族の生活をかけてこのプロジェクトに挑んでいるという。

「きっとうまくいくだろう」という声が多いが、破竹の勢いのこの二社によるタッグチームのなりゆきに、上海ッ子も注目している。


正大広場(スーパーブランドモール)のテナント募集

小南国と一風堂がともに出店を予定しているのが浦東地区の大型モール「正大広場」。
すでにオープンしているレストラン街をこの春に増床するのだが、そのスペースは2000平方メートル。すべてを小南国がマネジメントするわけだが、そのうち、小南国、一風堂、日本の大手カレーメーカによるカレーショップで1500平方メートルを使うことが決まり、あと500平方メートルのテナントを今募集中という。出店条件は、家賃が売上の10%、管理料が一日当たり1.5~2.0元/平方メートル。勝ち組企業とのジョイント出店という機会はそんなに多くない。独資か合作は別にしても、現地でのパートナー企業は若手の勝ち組を選びたいものだ。検討されてはいかが?

興味がある方で、すぐに上海へ飛べる方はメールでご一報ください。
info@e-comon.co.jp 


決断ということ

上海に限定していえば、一番成功している外国は香港だろう。香港経営の一番の特長は、決断の早さとその大きさ。

DREビジネスセンターの池内支配人の話によれば、「上海で、日本の会社やお店が成功しているという話しはそれほど多く聞かない。なぜなら決断が遅いのと、決断が小刻みなこと。リスクを減らすために小出しで投資しようとするので、かえってうまくいかない」

耳が痛い話しだ。

「武沢さんみたく、うちのオフィスを見て即決で契約してくれたような決断が日本の会社にほしい」

いや、私の決断はささやかすぎて話しにならない。いずれにしても、YESも決断、NOも決断。保留したまま立ち消えにするような決断力ではどこへ行っても通用しまい。