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ある読者の声

ある立食パーティで次のように声をかけられた。「がんばれ社長!2003年9月2日号のおかげでスタッフのテンションが一気に上がりました。武沢さんのおかげですよ。」

「へぇ、うれしいです。9月2日号というとどんな内容でした?」

「武沢さん行きつけの靴磨き職人さんの話ですよ。あの内容をスタッフに回覧したところ、みんな感動してくれた。」

「良かったですねぇ。ところでどんなお仕事なんですか?」


彼は株式会社エイアイシーの坂本社長。歯の健康アップのためのホワイトニングやクリーニング、口臭予防対策や審美歯科、矯正などを行うサロン「ホワイトエッセンス」の運営をサポートする会社だ。

ホワイトエッセンス  http://www.whiteessence.com/ 

成人の歯は28本ある。手入れが不十分だと30才代から抜けはじめ、50才代にはそれに加速度がつく。最終的には平均で5本しか自分の歯が残らないという。
ところが、定期的に歯科医院で「ティース・クリーニング」を受けた人は、80才でもほとんどの歯が残っているというデータがある。
(同社発行の冊子、「Teeth care Bible」より)

一般に行われている「歯石取り」とは違って、クリーニングは保険がきかない。でも三ヶ月ごとにクリーニングすると歯のヤニや茶渋がきれいに落ちて白さを取り戻す。さらには、虫歯菌を除去したり、歯周病予防にもなるという。


「へぇ、ティース・クリーニングって良さそうですね。僕もやってみますよ。ところで坂本さん、靴磨きの話とどんな関連性があるのですか?」

「歯のクリーニングも靴磨きも、やっていることの表面だけを見れば似ているじゃありませんか。汚れたものをきれいにするということですから。しかし、同じ仕事をするにしても三流から超一流までの格差がつくのはどの世界も同じで、ついつい単調な作業のくり返しになりがちな仕事に全力を尽くせるかどうかの勝負だと思うのです。」

そうした意味から、9/2号の次の箇所がスタッフの方々の胸を打ったという。

以下、03年9/2号より抜粋 ・・・

「靴磨きにも超一流から三流まであるとしたら、その差は何で生まれるのですか?」

「靴磨きという仕事に全人格的表現をしようとしているか、いないかの違いでしょう。」と即答した上で、次のように続く。

靴磨きであろうが、芸術家や政治家、実業家だろうが、自分の本業にすべてをかけている人には特有の深みが出てくる。靴磨きの技術だけならば誰だって一~二年もやればそれなりの水準に達する。だが、そこから深まりが出るか出ないかはその人の職業観や人生観が強く影響してくる。

全人格的表現?

そう、自分の本業を深めようと勉強し続けることなんだ。私が哲学書を好んで読むのもそのためだし、芸術や音楽・映画をよく観るのも全部自分の人格を高めるためだし、それが無意識に本業に投影されるものなんだ。

靴磨きって奥が深いねぇ。

三流の靴磨きに聞いてごらん。きっと靴磨きという職業は、単に靴を磨くことだって答えるから。だが私が靴を磨くのは、靴をきれいにするのが目的ではない。
靴のライフサイクルを理解し、今この瞬間にその靴にほどこしてあげるべき最高の処置をするのが靴磨きの仕事なんだ。

靴のライフサイクル?

そう、あなたが今履いているこの靴はきっと今日で10回目くらいに違いない。(その通り)
つまり靴が若いんだ。この靴も私に任せてごらん。2~3年も履き込んだらすごく良い靴になるから。表面をキレイに仕上げることは、今この靴に必要としていない。この先10年履き込めるような基礎を作ってあげる段階なんだ。靴にも人生があるんだよ。それに接するこっち側にも人生観がないと、靴に対して対等に付きあうことができないでしょ。

・・・以上、9/2号からの抜粋

9/2号 全文はこちら
 http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=205