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今なおエキサイティングな竹田陽一先生

2004年3月18日(木)、福岡でセミナーを開催した。栢野克己さんに集客協力をいただき、定員60名が満席になった。私の講演テーマは、
「keep Changeの仕組み」。そしてゲスト講師はランチェスター経営の竹田陽一先生(当時68歳)。先生にお目にかかるのはそのときが初めてだったが、次のような興味深いお話しをされた。

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「誤解をおそれずに言えば、社長は倒れる直前まで働くべきです」
弱者(世の多くの個人や企業)必勝の時間戦略として、次の三つの視点が重要である。

1.時間総量が競争相手より上回っていること(重要度57%)
2.その人でないとやれない役割に仕事をしぼっていること(重要度29%)
3.時間を無駄なく効果的に使っていること(重要度14%)

「世の中の時間管理に関する書籍のほとんどが3番目の問題に対する技法を教えるもので、枝葉末節の戦術にすぎない。大切な時間戦略は1と2なのです」

成果=量の二乗×質

であるゆえ、質(才能)の不足を量で充分に補えるものである、というのがランチェスターの時間戦略だ。投入する時間量が不足していては話にならない。
先生ご自身は、この10年でかなり働く時間を減らしたそうだが、それでも軽く年間3,500時間は仕事をしておられる。
盆も正月も関係なく、一日あたり11時間働かれるそうだ。しかもその対象は「ランチェスター経営戦略」という狭い分野にのみ投入しているので、圧倒的ナンバーワンになれないのがおかしいと言い切る。

先生が「ランチェスターで勝負しよう」と決意したのが40年前の28才。
以来、紅白歌合戦も高校野球もまったく見ない人生がはじまった。
素質がある人はライバルの多い分野で勝負しても勝てる可能性があるが、普通かそれ以下の人間は、ライバルの少ない分野や地域を選ぶべきだという。
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★ランチェスター経営株式会社 http://www.lanchest.com/

早いもので、あれから15年経った。

昨日、都内で西村謙二さん(経営戦略コンサルタント)主催のセミナーがあり、私も参加した。そこで竹田先生が2時間半講義されたが、80歳を感じさせないパワフルなお姿、声、情熱である。
「おそるべし!竹田先生」の感をもった。

「先生、まだ長時間勤務は続けておられるのですか?」
「ランチャスター関連以外で先生が感銘を受けた本は?」

懇親会で隣から質問をぶつけてみた。先生はこう答えられた。

「私は研究が好きなんですね。時間さえあれば企業のデータを調べたり分析したりして仕事部屋にこもっている。何よりもそういう時間を大切にしていますから仕事時間は減りませんね」

「僕は東京商工リサーチで営業マンをしているときから、大切な本はプロのアナウンサーに朗読してもらい、カセットに吹き込んで反復学習してきました。そのために投じたお金は累計で700万円を超えます。そこまでしたくなる本は数十冊あるわけですが、ベドガーとドラッカーの本からは、特に大きな影響を受けました」

それがこちらの3冊である。

私が読んでない本があった。すぐチェックせねば。

「また福岡へ来られるときには連絡ちょうだい」
帰り際、先生にそう言っていただいたので、そうしようと思う。