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耳にタコを作らせよう

「もう1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」「も
う1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」
「もう1点」「もう1点」「もう1点」「もう1点」・・・。

プロ野球の広島カープではベンチ全員でそれをやる。耳にタコができ
るくらい一年間毎日「もう1点」と互いに声を掛け合う。
今年巨人軍にFA移籍した丸選手が、新聞の対談でそんな話を聞かせて
くれた。(今朝の『スポーツ報知』より)

「もう1点」と耳にタコ。

誤解がないように申し上げるが、ここでいうタコとは、海の蛸(たこ)
のことでもなければ、お正月に子どもがあげる凧(たこ)のことでも
ない。
手や足などにできる「胼胝」(たこ、角質化した厚い皮膚)のことを
いう。勉強好きの子どもは指にペンだこができるし、スポーツ選手は
手にマメができる。
体内の水分が集まって水膨れになったものがマメ、刺激が繰り返され
て角質層が厚く硬く盛り上がったものがタコである。どちらにしろ、
皮膚を守ろうとする防御反応のなせるわざらしい。
余談だが、靴ずれもマメの一種。

さて、リーダーたるもの、部下の耳にタコをつくらせてナンボであ
る。いや、タコぐらいでは生ぬるいかもしれない。日本電産の永守重
信社長など、こう豪語する。

「部下の耳にタコができて、そのタコにまたタコができるくらいまで、
私は言い続けた」

昨日のメルマガで哲学のある社長になろうと申し上げたが、部下に
語る哲学がなければ耳にタコなどつくれない。
哲学は最初から独自のものを生みださなくてもよい。選べばよいのだ。
他人から学び、取り入れればよい。そのためには哲学ある人から学ぼ
う。

私の知人のE社長も哲学がある。

部下に対して「自燃人」「可燃人」「不燃人」という言葉を盛んに使
う。じねんじん、かねんじん、ふねんじんと読む。
自ら燃える人を自然人、他人に火をつけられると燃える人を他燃人、
何をしても燃えない人を不燃人、というらしい。
リーダーは自然人でなければならないし、我社の社員は全員が何かの
分野において自然人であってほしい、と訴えるE社長。
お目にかかる度にその話をされるので、私の耳にもタコができ、私も
その言葉をセミナーなどで使ってしまうことがある。

まずは社長が部下の耳にタコをつくる。
次に「あと1点」のようなスローガンを皆で唱え、お祭りさわぎを起こ
してチーム全員がタコをつくりあう。
タコもそこまで進化させたいものである。