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より本質に迫る企業目標を

Rewrite:2014年3月22日(土)

織田信長は桶狭間の奇襲作戦で今川義元を討った。その勝因は「情報戦」の勝利であったといわれている。信長は勝利のあと、誰をもっとも評価したかに信長らしさが垣間見られる。義元の首を取ったのは毛利新助(良勝ともいう)で、彼が最大の功労者である。しかし、戦の性質を見抜いていた信長は、今川軍の情報を的確にもたらした男・梁田出羽守に最大の知行を与えているのだ。戦国時代の常識をくつがえす評価を行なう先進性と柔軟性は、戦の本質を見抜いていた信長の真骨頂だ。

サヨナラヒットを打った選手より、その前に送りバントを決めた選手がお立ち台に立つようなものだ。いや、本塁突入を指示した三塁コーチがヒーローになることだってある、そんな野球をしているイメージである。

経営者もそうした信長的なものの見方ができるようになりたいものである。

堺屋太一氏が「組織の盛衰」のなかで”三比主義”からの脱却を唱えているが、これなども本質的なものの見方の一例として興味深かった。
三比主義とは、「前年比」「他社比」「予算比」の3つである。この3つの業績評価こそ、拡大即利益の発想を制度化した悪しき志向の表れだという。そして、氏は三比主義に代わるものとして「利益質」という考え方を提言している。

一般的に中小企業で使われている予算比とは、売上や利益など経理上の値を目標にし、実績との誤差を測定する方法だ。それに対し、堺屋氏の「利益質」を指数にする公式は、
利益質指数=「利益額」×「外延性」×「継続性」×「好感度」というもので、一つの仮説としておもしろい。

「利益額」とは、営業利益でも経常利益でも構わない。
「外延性」とは新規客の増加を意味する。
「継続性」とは、来年以降につながる収益かスポット収益かの判定だ。
「好感度」とは、顧客・従業員・取引先からどれだけ好感を持たれる収益なのかを判定する。

ものの見方として説得力がある。