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経営力=立案力×遂行力×レビュー力

「経営計画書を作ったおかげでモティベーションが下がった」

そう難癖をつけてきたのは神奈川県の A 社長。セミナー後の懇親会でのことだった。A 社長の目元が笑っているのですぐジョークと分かったが「でも、少し本音でもあります」と A 社長。

今年初めて経営計画書を作った A 社長。以前は前年を上回ることが目標だった。計画チェックもなく、社内の空気もノンビリしていた。
ところが今期から前年比6%アップという成長目標を掲げ、営業も製造も詳細な行動計画をつくった。すると「計画未達成」がたくさん目に付くようになった。
その結果、A 社長は「モティベーションが下がった」というのだ。
こんなことなら経営計画なんて作らなきゃよかった、とでも言いたげな顔をしている。

私は「ここにも認識違いが一人いる」と思った。

未達成や失敗は「悪いこと」と捉えているのだ。
そうではなく、計画未達成があるから改善があり、進歩がある。未達成は最高の学習教材なのだと考えていただきたい。

「経営計画書」を作るとたくさんの目標や計画ができる。その結果、たくさんの未実行、未達成が起こる。
「経営計画書」をつくってなければ気づかなかったような問題がたくさん目に付くようにもなる。それらは歓迎すべきことなのだ。

まず、未達成や失敗と冷静に向き合うこと。当事者としての悔しい気持ち、恥ずかしい気持ちは脇に置く。科学者が顕微鏡をのぞき込むように事態をありのまま観察しよう。

1.なにが起きたのか(観察)
2.なぜそうなったか(原因仮説)
3.どうすれば次から同じことが起こらずに済むか(対策仮説)
4.そのために具体的にどう動くか(行動ステップ)
5.新しいやり方をテストしてみる(検証)

新しいやり方をテストしてみて、ふたたび「1.何が起きたか」のループに戻る。これを淡々と繰り返すことで事態は好転していく。

売れない営業マンがいたとする。仮に目標達成率50%という低い数字をずっと続けていたとしよう。その場合はこのように考える。

1.なにが起きたか→目標達成率50%という結果
2.なぜそうなったか→毎日の商談件数が他の営業マンと比べて半分の1件しかないことが問題
3.どうすれば次から同じことが起こらずに済むか
→既存客から紹介をもらって、見込客数を現状の12件から25件に倍増させる。
4.そのために具体的にどう動くか(行動ステップ)
→紹介獲得トークを作成し丸暗記する(11/4)
既存客 A 社から Z 社まで全部回って紹介依頼をし、13件の新しい見込客を集める。

こうしたレビュー(ふり返り)をマメに行う。少なくとも毎月1回はやってほしい。できれば毎週1回やることをおすすめする。

会社全体が目標と実績をマメにレビューし、計画未達成と真摯に向き合うことで予実管理の精度はみるみる向上していく。あとは粘り強く継続するだけである。

「経営力=立案力×遂行力×レビュー力」なのだから。