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続・フィリピンレポート

日本でも戦後に財閥解体があるまでは、三井・三菱・住友などの財閥と政治家が主導で国の基盤作りを行った。フィリピンも経済の8割をスペイン系と中華系の財閥が握り、国と共同で都市開発を進めている。

1986年まで20年間続いたマルコス政権は、腐敗と癒着、横領がはびこる体質をつくり、最後はハワイに亡命せざるを得なかったマルコス。
その影響で他のアジア諸国のなかでも成長が立ち後れていたが、地道な改革努力が実を結び、2010年以降は6~7%という高い成長率をキープしている。

英金融機関 HSBC の予測では、フィリピンの国内総生産(GDP)は2050年に1兆7,000億ドル(約173兆2,980億円)に達し、インドネシアの1兆5,000億ドルやマレーシアの1兆2,000億ドルを超えるといわれている。

当然、国際的な評価も急上昇し、2013年には世界三大格付け機関(S&P、ムーディーズ、フィッチ)が揃って、フィリピン国債の信用格付けを投資適格級に引き上げた。
また、近年のドゥテルテ政権によって「麻薬と暴力の国」という負のイメージを払拭しつつある。
ムーディーズは「フィリピンは今後、世界のほとんどの国を上回って成長する『アジアのライジング・スター(新星)』である」と評価した。

フィリピンはルソン島・ミンダナオ島など大小合わせて7,107の島々から構成される。2014年7月に人口は1億人を超え、アセアンではインドネシアに次ぐ人口大国で、出生率は3.08人とアセアンNO.1を誇る。

国連の世界推計人口によると 2028年には日本を追い抜き、その後も2091年までは人口が増え続ける見通しだという。
フィリピンの平均年齢は24歳で、日本の46歳のほぼ半分。またフィリピンは世界第三位の英語圏でもあるためビジネスや旅行には困らない。

国民の大半がカトリック教徒であり、聖書の教えを重んじているともいわれる。国民性としては大変な家族思いで、同時に親日的でもあることから日本人が旅行や仕事をする環境は整っている。
人口分布は理想的なピラミッド型で、「人口ボーナス期」といわれる経済発展がしやすい時期が2050年までは続くと言われている。

このように、安定的な人口増加が見込まれるフィリピンでは、豊富な労働供給が長期的に期待できることや、依然として周辺国より人件費が低いこと、英語のできる質の高い労働力が豊富であることから、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の拠点として注目が高まっている。
具体的には、総務・人事・経理に関連する業務(給与計算、データ入力など)、コールセンターやソフトウェアのプログラミングなどの業務を世界中の企業から請け負い、成長しているのだ。

私(武沢)が学生のころは日本もピラミッド型だった。ということは昭和の高度成長を思い出せばよい。
建設土木、道路、物販(食品や衣料など)や外食・レジャーなどの消費、住宅、自動車などの耐久消費財などの購買が拡大する。昭和の日本における経済成長シナリオがそのまま当てはまる可能性が高い。

<明日につづく>


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