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続 「VR 元年」を実感

「太平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も眠れず」

黒船来航に大騒ぎする江戸幕府や町民たちを歌に詠んだ。先週末、友人の VR(ヴァーチャル・リアリティ) を体験したときの私も上喜撰を四杯飲んだ気分だ。今年は「VR 元年」といわれるが、今日も VRにふれてみたい。

まず、友人が購入した製品は米国 Oculus 社の「Rift」とご紹介したが、それは間違いであって訂正せねばならない。
友人は HTC 社の「Vive」を購入し、私が体験したのもその製品である。

VR のプレイヤーメーカーはたくさんあるが、有名なところは次のとおり。

1.台湾 HTC 「Vive」→ https://www.htcvive.com/jp/
2.米国 Oculus「Rift」(Facebookが買収)→ https://www.oculus.com/ja/
3.日本 ソニー PlayStation VR → http://www.jp.playstation.com/psvr/
4.スマホVR(サムソンのGear VRなど)→ http://www.samsung.com/jp/product/gearvr/
5.韓国 LG LG360VR→ http://www.lg.com/us/lg-friends/lg-LGR100.AVRZTS-360-vr
6.米国 Microsoft「Hololens」→ https://www.microsoft.com/microsoft-hololens/en-us

パソコン普及期に PC 本体のメーカーが群がり出たが、今後、VR のプレイヤーも一気に増えるだろう。

「VR にはグループ一体となって取り組む」と明言したのがソニーの平井一夫社長。「VR はゲームから」と業界を牽引する勢いで10月13日(木)に PlayStation VR が発売される。先月18日、一部の店舗やネットで予約注文を受け付けたが、即日、予定数に到達した。
しばらくは品薄がつづく可能性があるが、一部の店舗ではいまも予約受付をしているようだ。

「酔いやすく、長時間プレイに適していない」と VR に懐疑的な発言をしたのが任天堂の宮本茂氏。マリオやゼルダを生みだした方の発言だけに、注目されている。酔いやすいという問題をどう技術的に解
決できるかが業界の課題だろう。

VR の普及で今後なにが変わりそうか。ゲームだけでなく、医療や教育、旅行などが大きく変わりそうだが、そのあたりを整理してみたい。

1.旅行が変わる
VR で日本国中、世界中の観光地を旅できるようになる。どうしてもいってみたい、見てみたい、食べてみたいものが見つかれば、実際に行く。旅行業界が大いに発展する可能性がある反面、「VRで充分」と観光客が減るリスクもある。また旅先で VR を装着すればガイドいらずで観光できるようにもなるだろう。

2.内科や外科の医療教育が変わる
体内の様子が VR でみられる。外科手術のシミュレーションが可能になり、医療技術の大幅アップに役立つことが期待されている。

3.技術教育
工作機械やソフトウエア などの操作教育、宇宙飛行士やパイロットの訓練、スポーツ選手のトレーニングなどで VR が普及する。

4.企業の基礎教育、実務教育
お辞儀の仕方や敬語の使い方なども VR で実地に学ぶ。ピザの焼き方やパン粉のこね方、刺身の切り方といった専門技術も VR があれば好きな時間にひとりで学べるようになる。

5.企業の営業が変わる
土地やマンションの販売や斡旋、仲介などは VR 化される。年中
無休24時間、物件案内が可能になるほか、人件費もゼロになる。

6.企業コミュニケーション
遠隔地の社員同士や、または社員と顧客が目の前で対話しているかのように会議やミーティングができる。テレビ会議以上に臨場感があるので、コミュニケーションも活発になる。

7.コミュニケーション
札幌の友人と沖縄の友人、名古屋の私が三人でゴルフをラウンドできる。「ところで最近どう?」などと近況を話し合うのにゴルフやビリヤード、麻雀などは最適。

8.恋愛がかわる
交際を開始するまえにVR で交際すればミスマッチが減る。

9.学校教育が変わる
一見むずかしそうな内容でも VR ソフトで楽しく学べるようになり、学校にいくのが楽しみになる。勉強好きの子ども、成績が優秀な子どもが増えるだろう。

ポジティブな側面に注目して書いてきたが、人間性軽視であるなどの声もある。そのあたりは、知恵をつかって上手な活用法を見いだしていけばよい。