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高野山ツアーに参加して

平安時代の弘仁7年(816年)、嵯峨天皇から空海に下賜され、真言密教の修禅道場として開かれた高野山。今年ちょうど1200周年を迎えた。

空海がなぜ高野山を選んだのか?
それにはこんな言い伝えがある。

遣唐使の任務を終えて明州の浜に立った空海が「日本に帰ってから、密教根本道場を建てるにふさわしい地に届け」と投げた三鈷杵(さんこしょう、密教法具の一つ)。雲の中に入って見えなくなってしまった。
帰国後、空海が高野山に登ったところ、その三鈷が松の枝にかかっていたことから、ここを伽藍建立の地と定めたという。いわゆる「三鈷の松」(さんこのまつ)伝説だが、今もその松は壇上伽藍(だんじょうがらん)近くに立っている。

先週末、クローバ経営研究所(松村 寧雄先生)主催の高野山ツアーに参加した。10年前にも松村先生主催のインド仏陀ツアーに参加し、その翌月にひとりで高野山に来ているので、個人的には二度目の訪問となる。

★高野山 https://www.koyasan.or.jp/
★クローバ経営研究所 http://www.myhou.co.jp/

全盛期には3,000近くあった高野山の寺院。
その大半は塔頭(たっちゅう)と呼ばれる修行僧向けの小さな庵だった。今では117の寺院があり、半数が一般客が泊まれる宿坊(しゅくぼう)となっている。

なかでも人気の宿坊のひとつ「恵光院」が今回の宿だった。精進料理が美味しいだけでなく、宿坊をあげてのホスピタリティが徹底している。立地も奥の院への入り口となる「一の橋」のすぐ近くにあることから便利がすこぶるよい。弘法大師がこの地に宝塔を建立し、弟子である道昌が先祖の供養を始めたのが恵光院の始まりだとか。そして、明智光秀の菩提寺でもあるそうだ。

恵光院の魅力は、早朝のお勤め(勤行)が毎朝行われていること。
宿泊者は追加料金なしで朝の勤行に参加できるほか、夕食後には奥の院往復のナイトツアーに参加できる。部屋数も多いことから団体客も受け入れてくれる。世界遺産に登録されてからは外国人客が急増し、我々が訪問したときも半数近くは外国人だった。彼らの目に密教儀式がどのように映ったか興味深い。
我々一行が恵光院に到着した2時間前にはリオ五輪のメダル候補、O選手もここに必勝祈願に来ていたという。

★恵光院 http://www.ekoin.jp/

宿坊ではクローバ経営研究所の松村剛志社長と相部屋だった。
ご一緒に風呂に入り、部屋でくつろいでいたら、お隣の部屋からお声がかかった。兵庫県のF社長がどこからか「般若湯」(はんにゃとう、酒)を仕入れてきたようだ。長崎のTさんも高級ウイスキーを持参されていた。就寝前の1~2時間、男性ばかりが集まっての全国交流会になった。山形のOさん、広島のTさんや東京のHさん、Nさん、Tさんなどから興味深い話が聞けた。こういう時間は何ものにも変えがたい。翌日わかったことだが、女性陣も同様の全国交流会を別室で行っていたそうだ。

密教の二大教典は『金剛頂経』(こんごうちょうきょう)と『大日経』(だいにちきょう)である。
『金剛頂経』の世界を表したものが「金剛界マンダラ」で、『大日経』の世界を表現したのが「胎蔵界マンダラ」、この二つを総称して両界マンダラという。

「金剛界マンダラ」は、人の心の中味をビジュアル化したもので、心の本質、つまり「唯識」(ゆいしき)を表現した。
一方の「胎蔵界マンダラ」は宇宙の本質、つまり「空」(くう)の豊かさを映像化したものである。

今回のハイライトはマンダラ手帳、マンダラチャート開発者の松村寧雄先生の講話。マンダラの聖地・高野山でセミナーをされるのは28年ぶりだとか。
いかにもこの地にふさわしく、松村先生は空海の「十住心論」を説かれた。人間の心には10のレベルがあり、真言密教は最高位の教えであることを時の天皇にあてて述べたのが空海の「十住心論」。

・第一住心 異生羝羊心 (いしょうていようしん)

「凡夫狂酔して、吾が非を悟らず。但し淫食を念うこと、彼の羝羊
の如し」
ぼんぷきょうすいして、わがひをさとらず。ただし、いんじきを
おもうこと、かのていようのごとし
・・無知なものは迷って、自分の迷いに気づいていない。まるで
雄羊のように、ただ性と食を思い続けるだけである。

から始まる「十住心論」の中味については2010年3月1日から二回にわたってご紹介している。気になる方はこちらのバックナンバーをお読み願いたい。

http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=3051
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=3053

来年も同じ時期、マンダラにちなんだ何かの企画があるという。

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