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ソーシャルコマースというもの

人々の協調行動が活発化することによって社会の効率性を高めることができる。そうして生まれた有形無形の恩恵のことを「ソーシャルキャピタル」という。ソーシャルキャピタルがやがて、現実のキャピタルを生みだしていくことになる。互いの信頼関係を強固にするためのサービスがソーシャルネットワークサービス(SNS)で、私たちも Facebook や Twitterなどがあるおかげでどれだけ仕事がやりやすくなり、多くの恩恵を受けているわけだ。

そういえば最近、「ソーシャル〇〇〇〇」という単語が急増しているように思う。以前から使われているものも混じっているが、今思いつくものだけでこれだけある。

・ソーシャル ネットワークサービス
・ソーシャル メディア
・ソーシャル ワーカー
・ソーシャル アントレプレナー
・ソーシャル ゲーム
・ソーシャル キャピタル
・ソーシャル エデュケーション
・ソーシャル レジデンス(ソーシャル アパート)
・ソーシャル キュレーション
・ソーシャル レンディング
・ソーシャル エンジニアリング
・ソーシャル ・・・
・ソーシャル ・・・

…etc.

他にどんな「ソーシャル」があるのだろうか。

「ソーシャル」といえば・・・。

ある知人がヨーロッパから一時帰国した。本業は建築士で、かなり成功しておられる方だが、最近は奥様の方が忙しいらしい。趣味で始めたファッション通販の仕事が軌道に乗ってきたというのだ。

「どんな通販サイトを作ってるの?」と聞いてみた。すると、
「ワイフは自分でサイトを作っていない」という。
「じゃあアフィリエイト?」と聞くと、「それも違う」という。
「じゃあ何よ?」
「ソーシャルコマースなんだ」

「ソーシャルコマース」。また新しい「ソーシャル」の単語を聞くことになった。彼の説明によれば、ソーシャルコマースを運営するサイトに海外在住の個人が「パーソナルショッパー」として登録する。いわゆる出品者であり、現地買付を行う人でもある。日本で販売されれていない製品を海外在住のパーソナルショッパー、(以下 「PS」)が製品紹介する。それを見た日本在住の利用者が購入申込みすると、PS はその製品を買付けし日本に送る。その仲介を果たすのが「ソーシャルコマースサイト」を運営する会社というわけだ。

「ソーシャルコマース」の代表的なサイトとして『BUYMA』(バイマ)がある。運営するのは株式会社エニグモで、東証マザーズ上場企業。

『BUYMA』は、世界中のファッションアイテムを購入できるソーシャルショッピングサイトで、国境を越えた CtoC サービスということから「越境 CtoC」とも言われている。世界124カ国に住む約7万人の日本人が PS 登録し、海外の最新ファッションアイテムを紹介販売している。エニグモは2005年にこのサービスを開始したそうで、すでに10年以上の歴史がある。会員数は270万人を超え、1日のあたりの出品数は1万点に上るという。

ファンにとってはありがたい存在の『BUYMA』なのだが、Amazonや楽天など、大手通販サイトに比べればまだ認知度が低い。今後は積極的に広告宣伝などを行って利用者を拡大していく予定だという。ファッションで先行しているが、今後「ソーシャルコマース」というものが他の分野でもどんどん広がっていく可能性がある。

『BUYMA』 → http://www.buyma.com/