Best of がんばれ!社長  武沢 信行

ベストオブがんばれ社長!社長・経営者を応援する「がんばれ!社長」ベストメッセージ(メルマガ「がんばれ社長!今日のポイント」バックナンバーより選抜公開)

続続・がんばれ!ぬいぐるみ

      2016/04/14

昨日のつづき。

むくつけき男にぬいぐるみの魅力は分からないが、感性の豊かな人にとって、ぬいぐるみから感じる愛らしさはペットに勝るとも劣らないそうだ。そんな全国のぬいぐるみファンのために「ぬいぐるみの病院」という独自のコンセプトを打ち出し、ファンの心をつかんできた堀口こみちさん(大阪)。以前からぬいぐるみの補修ビジネスは存在していたわけだが、あくまで ”物” としてのぬいぐるみを補修していた。入院するのも治療するのも看護するのも全部ぬいぐるみ、という世界観を構築したのは堀口社長の慧眼といえる。

今年3月25日(金)の朝、堀口さんがいつものようにメールをチェックすると常連客のひとりから「大変!」という件名で連絡が入っていた。「ぬいぐるみの病院」が Twitter 上で話題になり拡散している様子、とある。すぐに自社ホームページにアクセスを試みた堀口さんだが、サーバーがダウンしたのかアクセス不能になっていた。

最初はたったひとりのツィートだった。それが Twitter で ジワジワと拡散し、それが Yahoo!ニュースで取り上げられたのが3月25日(金)の朝だったのだ。そのことは当のご本人も知らない。その日の夕刻、ようやく正常にアクセスができるようになったとき、500人の方から入院申込みが届いていた。

マックスで月間30人~40人という病院に、わずか一日で500人から入院申込みが殺到。とても一日や二日ですべての”問診票”に目を通し、返信できる量ではない。さらにその後も申込みは増えつづけているそうで、おそらく1年や2年は待たないといけないほどの長蛇の列ができた。

「武沢さん、こういう取材のお話しは断ってもいいですか?」と私にメールをいただいたのはその日の夜だった。

メディアのニュースソースは”他のメディア”と言われるが、まったくその通りのことが起きていた。「Yahoo!ニュース」をご覧になった他のメディアから取材依頼が相次いだのだ。「これ以上取材していただいても病院のキャパが追いつかないので・・・」というのが堀口さんのお気持ちだった。

「どんなところから取材依頼が来てますか?」と尋ねてみたところ、こちらから頭を下げてお願いしたいようなお相手ばかりだった。NHK の朝のニュース番組、民放の朝の情報番組、朝日新聞、産経新聞、共同通信海外配信記者、子ども新聞、大手出版社、女性週刊誌、クラウドファンディングの会社など引きを切らない。もし全部応じていたら一ヶ月間は取材対応だけに追われそうだ。結局、「全部お断りするのはあまりにもったいない」と、世界観を共有できそうなところに限定して対応されることにした。

一年以上も待っていただくことは心苦しい。可能なかぎりスタッフを増員し、入院キャパを拡張されるそうだが、それでも、堀口さんの世界観にブレはまったくない。

「たくさんの入院患者さんを受け入れたい気持ちはあるのですが、あまり大きく広げたりはしない方向が良いと思っています。それよりも、余裕を持って笑顔でみんながお仕事が出来て、お客様に安心をお届けしたいです。患者さんをしっかりケアして、緑と空気のきれいな公園を散歩していただいたり、特別個室があって VIP サービスも充実させたりと、運営面でやりたいことが山積しています。ですので、大量生産みたいな病院にならないようにしたいと思います。お客様にはお待ちいただかねばなりませんが、ご賛同いただける方と一生のお付き合いをしていきたいと思います」

一年待ち、二年待ちの商品があることは私も知っている。たとえば、家庭用調理器具や総菜、和菓子、果物、などである。今回はそれに、「ぬいぐるみの病院」が加わったわけだが、今回の注目点は、Yahoo!ニュースで取り上げられたその日のうちに一年待ちの行列ができてしまったという点。

今年2月の合宿で堀口社長と話し合ったときには、よもやひと月後にこうなっているなんて想像もできなかった。

顧客と共有できる独自の世界観という切り口であなたのビジネスを再定義してみよう。どこの真似でもない独自の世界をつくる。メディア受けを狙ってそうするのではなく、顧客との関係性を大切にすることを第一義に置く。そんなチャレンジをしてみようではないか。

Yahoo!ニュース「ぬいぐるみの病院」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160325-00010003-bfj-bus_all

「ぬいぐるみの病院」
http://nuigurumi-hospital.jp/

<このシリーズ、ひとまずここまで>

余談:今回のエピソードは私にとっても新鮮で教訓に満ちています。そこで株式会社こころの堀口こみ
ち社長にお願いして、大阪か名古屋の「がんばれ!ナイト」にご登壇願えないか、打診してみたい
と思ってしますが、いかがでしょう。なにしろ一年待ちの病院の理事長ですから、超ご多忙かとは
思いますがそこを何とか。

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