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兵庫にて

●たしか去年だったと思う。びっくりするようなメールが来た。

「武沢さん、早く姫路に来てくれないと姫路城が改修工事に入っちゃいますよ。それに、シンデレラ城のモデルになったドイツのノイシュヴァンシュタイン城がうちの近所にも完成しました。原寸大です。ちなみにそのお城は『白鳥城』といい、本物の姫路城よりもサイズが大きいです」

●ええ?姫路にノイシュヴァンシュタイン城?姫路城よりデカイ?

いったい、どういうことだろうとメールを読んでいくと、「凱旋門」も「万里の長城」も「兵馬俑」も「天安門」も「モアイ像」も一箇所で見物できるという。そんなバカな。

●「そんな話、聞いたことないぞ」と思いながらも、少なくとも姫路城の改修工事は本当らしいので、とにかく仕事を作って行ってみることにした。

メールの主は株式会社藤橋商店の藤橋拓志社長。社労士の白井信雄さんと一緒に姫路駅にお出むかえいただいたのは1月16日の土曜日、お昼前だった。

●藤橋商店さんは創業91年めになる養鶏・鶏卵の生産加工販売業者。

素材と製法にこだわる農林畜産会社として国内でも評価が高い。そんな藤橋商店さんが昨年、「たまごかけごはん」と「穴子めし」の専門店を姫路城のまん前にオープンされた。

●まずは、そちらでお昼ごはん。私は穴子たまかけめしと、たまごぶっかけ飯の両方を一気にかきこんだ。たまごはもちろんのこと、たまごにかける醤油もお米も自家製。味噌汁につかう味噌や具、漬け物なども契約農家から買っているもので、すべてがうまい!

立地もバツグンで行列ができるお店だ。

★たまごや(食べログ)↓
http://r.tabelog.com/hyogo/A2805/A280501/28014985/dtlrvwlst/901519/

●食後の姫路城見物では、張りのある関西弁で案内してくれた藤橋さん。ふと気づいたら女性二人が我々のあとをピッタリついてくる。
やがて、声をかけられた。
「あのぉ、ご一緒させていただいてもよろしいですか?」

どうやら赤いジャンパーを着込んだ藤橋社長のことをボランティアのガイドと勘違いされたようだ。

私の仕事は「たまごや」の主人で、でたらめなガイドでもよろしければどうぞ、と返答された。そのご婦人たちは最後まで我々とご一緒され、そのあと、お礼にと「たまごや」に入って行かれた。

●平成26年3月に美しく甦る姫路城だが、改修工事中は見学が制限される。今年4月11日までは従来通りに見学できるので、早めに見ておこう。

★姫路城天守閣保存修理↓
http://www.city.himeji.lg.jp/s60/2873652/_18374/_17910.html

●そのあと、いよいよ「ノイシュヴァンシュタイン城」に向かった。
姫路城から車で15分ほど走っただろうか。突如、正面の山の中腹にシンデレラ城のようなお城が出現した。

「うわぁ、本当なんだ。うそみたいだけど」と興奮する。

●ここは、施設全体を「太陽公園」とよんでいて、チケットを買って入園する。入り口でチケットをもぎられ、歩いていくとすぐに現れるのがパリの「凱旋門」。
さらには、左手に「モアイ像」が、右側には小ぶりの「自由の女神」も現れる。

●「並び方には脈絡がないけど、すごいねぇ」と言いながらさらに進むと、「兵馬俑」の建物が見えてきた。
入り口近くの道路の両脇に何十もの兵士像が我々を出迎える。

建物に入ると、数百体の兵馬が整然と居並んでいる。西安でみた本物にくらべればたぶん数分の一程度だろうが、それでも堂々たる「兵馬俑」だった。

●次が「万里の長城」で、往復4キロの長城ができている。

「兵庫県にそんなのがあるわけない」と思っていたものが次々に出現するので、途中から笑うしかなかった。それに、よく歩いた。

★太陽公園 http://www.taiyo-park.com/infomation.html

●「太陽公園」の見物を終えて夕方からは、たつの市の市民ホールに向かう。会議室に通されると、藤橋商店全社員が勢揃いされていた。

その前で2時間ほどお話しさせてもらったが、その様子を藤橋社長がブログに書いておられる。

★藤橋社長のブログ http://otama-f.cocolog-nifty.com/

●講演のあとの夕食は、「もう食べられない、もう飲めない」というほどイタリアのワインと料理をご馳走になった。
フォアグラのスモークに蜂蜜をかけたものが赤ワインによくマッチした。シャトーブリアンにトリュフをかけて食べるステーキはナイフを置いただけで肉が切れた。

その後、日航ホテルで就寝。

●翌、日曜日は姫路から三田(さんだ)に移動。三田市は神戸の北に位置し、山間部に入るだけに気温が2度ほど低い。
「寒いでしょ」と三田駅にお出迎えくださったのは、平瀬楽器の平瀬友喜社長。
三田商工会青年部のセミナー講師に私を招いてくれた。その後、約二時間、30名ほどの若手経営者が熱心に学ばれた。

●セミナー会場には、人材派遣会社「株式会社リベラル」を経営される石井幸子社長もお越しになっていた。
10年前の「がんばれ社長!」創刊時からの読者です、と自己紹介された。その当時は派遣社員だった石井さんが「がんばれ社長!」を読んで一念発起し、周囲の反対を押し切って起業されたのが、今につながっているというお話しを聞いて感慨深く、うれしかった。

●懇親会のあと、平瀬さんにすき焼きをご馳走になった。

三田といえば何といっても三田牛(さんだぎゅう)。
神戸牛と同じく但馬牛を素牛とする黒毛和牛のことで、年間に1000頭ほどしか出回っていない貴重なお肉。それを二種類のすき焼きにした。

●まずは、北大路魯山人が好んだすき焼き法。

鍋に日本酒と昆布だしをブレンドしたものを一センチほどの分量だけ入れて熱し、それに三田牛を軽く浸してから取り皿にとり、特製醤油を1滴垂らして食す。

あたたかいダシの風味と肉本来のもつうまみが鼻孔に伝わり、やがて、口のなかで優しく肉汁と醤油味がとけあって舌に広がる。それに兵庫の地酒を合わせると、うっとりして声もでない。

「うん、これはやばい。どれだけでも入っちゃいます」

●もうひとつのすき焼きは、ちょっと甘辛めの割り下で軽く肉をあぶる程度に煮て食す。こちらのすき焼きは、ときたまごに付けて食べる。
こちらはビールが進む。

どちらもすき焼き用にスライスされた真っ赤な三田牛で、肉厚でうまい。帰る時刻を1時間半遅らせて、三田牛と、楽しい会話を満喫させていただいた。

ありがとう、兵庫。

★三田商工会青年部 http://www17.ocn.ne.jp/~seinenbu/
★平瀬楽器 http://www.hirase-gakki.com/