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ブルー・オーシャン

●名古屋の鉄板焼き「K」は、いつも超満員で予約なしでは入れない。
つい先日も3人でビールを飲もうということになり、午後7時半に電話を入れてみたら、9時半までは入店できないといわれた。
月曜日なのにこの人気だ。

●世間では不景気かぜが吹き荒れているが、あなたの会社やお店まで不景気になる必要はない。
こんな時だからこそ経営者は、名古屋の「K」のように知恵を絞って独自の製品やサービスを開発し、顧客と市場を力強く創造していこう。

経営者は、会社と地域と日本を元気にする義務があるのだ。

●「ブルー・オーシャン」「レッド・オーシャン」という言葉がある。
最初に言い出したのは『ブルー・オーシャン戦略』のキム教授だと思うが、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場を「ブルー・オーシャン」と定義した。
その反対に、競争がはげしい既存の市場を「レッド・オーシャン」と教授は呼んだ。

●キム教授の本は話題になったが、私自身、この本はどうも小難しくて、なじめなかった。
その点、今月発売された『日本のブルー・オーシャン戦略』(安部義彦、池上重輔著、ファーストプレス刊)は、日本企業の事例が多くて分かりやすい。
印象的だったのは銭湯の事例だ。

●斜陽産業の代名詞のような銭湯。

同著によれば、1968年に東京都には2,687軒あった銭湯が、2008年4月時点で約900軒と3分の1近くまで減少したという。

都内の銭湯業界全体でみてみれば、とても成長のチャンスは見いだせない状況にある。
だが、そんな業界の中でも「ブルー・オーシャン」は存在する。その最たる例が皇居近くの銭湯なのだという。

●従来、銭湯の客層は地域住民だった。
昔は自宅に内風呂がない家庭が多く、銭湯ビジネスは隆盛を極めたが、今や、昔ながらの銭湯は廃業に追い込まれている。

そんな中、皇居周辺の銭湯が流行っているというのだ。
その理由はランナーの存在だ。

●ランナーはいままで、公衆トイレで汗を拭き、着替えていた。
しかし、女性ランナーの増加や出勤前に汗を流したいビジネスマンの増加から、銭湯を利用する人が増えてきた。

半蔵門にある銭湯「バン・ドゥーシュ」は、一時期廃業すら考えていたというが、いまではランナーたちの憩いのスポットである。

★”こそ練”道場 http://g-fish.hp.infoseek.co.jp/furo.htm

●皇居周辺の銭湯の事例は、企業努力というよりは幸運によるものかもしれないが、他人の幸運の中にあなたの「ブルー・オーシャン」のヒントが隠れている可能性があるのだ。

日本にもたくさんある「ブルー・オーシャン」の事例を参考にしつつ、あなたの次の一手を考えてみよう。

★『日本のブルー・オーシャン戦略』
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=1743