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儲ける社長は人事に強い

●中小企業では、社長の価値観とあわない社員は不幸である。冷遇されるに決まっているからだ。
さもなくば、社長が妥協してしまうか、である。

いずれにしろ、そんなことはすべきではないから、社長は価値観の統一をはかる必要がある。
それは入社後ではなかなか困難なので、入社時に見抜くのが一番だろう。

●ある社長はこう考えていた。

「会社は家族のようなものだ。社員は可愛い息子・娘と同じで、できれば生涯つきあっていきたいし、社員同士も兄弟姉妹のように仲良く協調しあって仕事をしてほしい。それで会社が成長できれば、これほど幸せなことはない」

●そんな社長がやりたい社員旅行とは、温泉旅館に一泊して浴衣で地の料理とお酒を味わいながら無礼講で、とことん楽しい宴会、のはずである。

●ところが、社員の一部に「ぼくは温泉は嫌だ」「私は浴衣じゃなくて、私服で宴会に出たいわ」「オレは社員旅行なんて参加したくない」という社員がいたらどうするか?

●社長はそうした声に妥協してしまうのか、それとも理想の社員旅行を貫くのか、それが問題だ。
もし、そのような経営相談があったなら、私はこう答えたことだろう。

「社長、今どき社員旅行で温泉で浴衣なんて古すぎますよ。そんな古い価値観を若いスタッフに押しつけてはなりません。今の子は、昔と文化が違うんですから」と。

●だが、その考えは修正せねばならないと思い始めている。
なぜなら、一冊の説得力バツグンの本を読んだから。

会社とは、社長が思っている理想に近づけていくべきものである。若い社員の常識を尊重するのは結構だが、あまりに社長が迎合していくと、経営判断のすべてが妥協の産物になりかねない。
社長が社員に遠慮ばかりしていては、良い会社が作れるはずがないのだ。

●もちろん、社員旅行の行き先くらいのことで目くじらをたてる必要はないかもしれないが、一事が万事なのである。

一冊の本でそう思うようになった。

●部下との関係に課題をかかえておられる社長は多いと思うが、まずはこの一冊をお読みになることをおすすめしたい。

『辞めない採用、即戦力の育成で 儲かる会社になる! 』(あさ出版)

著者は株式会社武蔵野の小山昇社長である。こんなことが書いてあった。

・求人活動を社員に任せるな
・ないないづくしの会社でもよい人はとれる
・社員教育に1億円(一人年間30万円)を投資
・社員教育は年間300時間(一人平均)
・早稲田の学生を不採用…優秀すぎる人も困りもの
・ダメな人材も社内に必要
・社員は会社の価値観(社長の価値観)に共有できないと話にならない(社員旅行の宴会場に浴衣で来られない人とはうまくやれない)
・優秀な社員が辞めると会社は得をするから引き留めない
・経常利益÷新卒1年目の人件費で採用せよ
・採用はその場で、不採用は文書で

などなど、例によって常識破りの「小山節」炸裂!という内容だ。

●もちろんすべてがあなたに当てはまるかどうかは分からないが、社員との関係作りにおいて、経営者であるあなたが「俺流」をもつことは極めて重要だと思う。

なにしろ著者は、ないないづくしの会社から今日の武蔵野を築きあげた実績ある経営者。あなた流の人材哲学を確立するうえで、格好のテキストとなるはずだ。

●8月に出た本なので、すでにお読みになった方も多いかもしれないが、まだの方は、こちらの武蔵野さんの公式サイトから買われると、いろいろな特典がついてくる。

また、小山社長の記念講演もあと三開催ほど残されているので肉声で感じてみるのも良いだろう。

★『辞めない採用、即戦力の育成で儲かる会社になる! 』(小山昇著)
⇒ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=1654