未分類

南九州旅行記

5月2日(金) 夕方5時。

昨日から二日間続いた「がんばれ社長!経営ゼミナール、経営マニフェスト合宿」を終了。受講者とお別れし、晴海グランドホテルから羽田空港までタクシーを飛ばす。(5500円也)

空港で「KIHACHI」のアイスクリームを食べ、満席の18:55発のANAに乗りこみ鹿児島へ。鹿児島着20:44。
すでに午後9時を回ったというのに鹿児島中央駅までの55分のバス移動は補助席をすべて使って満席。さすが連休だ。

午後10時10分、JR九州鹿児島ホテル到着。荷物を部屋に預け、すぐに天文館へ移動。タクシーで約10分、「大安」にて薩摩揚げと薩摩地鶏に焼酎を堪能。仕上げは近所の「豚(とん)とろラーメン」でガツーンと締めて、深夜0時ホテルに戻って就寝。また食べ過ぎた。

5月3日(土) 午前6時半起床。

列車の切符を買うため鹿児島中央駅の「みどりの窓口」へ行くとすでに長蛇の列。ちきしょう、どこもかしこも旅行者だらけだ。

ようやくの思いでチケットを買い、8:48の特急きりしま4号グリーン席に乗り込む。あれだけの行列がうそのように、グリーン車は私しか乗っていない。次の鹿児島駅で二人増えたが宮崎駅まで合計3人のままだった。座席にはスリッパもついていて、二時間強の列車の旅を楽しんだ。

鹿児島から宮崎の間は、ほとんど山だ。杉の木がやけに多い。

そろそろ山の景色も見飽きてきたので渡部 昇一の「自分の品格」を読む。久々に味わう渡部節は今も健在。若い人にもっと読んでほしい作者だと思う。

10:53 宮崎駅着。私にとっての初宮崎だ。これで未訪問県は茨城と群馬だけになった。今年中に全クリするぞ。
駅舎内の書店で漱石の「吾輩は猫である」と宮崎ガイドブックを購入。

ホテルのチェックインまで時間があるので、宮崎県庁と日南海岸までタクシー観光。
県庁正門からいつも登庁するという東国原知事を待ち受ける観光客がけっこう沢山いる。今日はお役所も休みなのに。
前の知事の時にはこんな光景は一度もなかったというから人気ぶりのすごさがうかがえる。

午後1時、フェニックス・シーガイア・リゾートの基幹ホテル、シェラトンにチェックイン。シングルルームということで低層階の9階だが、バツグンの見晴らしに感動。
カーテンを開け放つと、「なんて美しいのだろう」。
5年前に見たレイクラスベガスのハイアットリージェンシーでの眺めを思い出す。

窓から見下ろすトムワトソン・ゴルフコースとそのコースを覆いかくすほどの大樹海。元・国有林だったというだけに、新緑の松が海のようだ。
その向こうは九州の海岸線と太平洋の水平線が180度に広がる。

お腹がすいた。ランチをとろう。
今回の旅には革靴とスーツしか持ってきていない。サンダルと短パンも買いたいので市内へ移動。シーガイアから繁華街までタクシーで20分、2000円かかる。
回転寿司でランチを済ませたあと市内を散策していると、「名探偵コナン」を上映している劇場の前にさしかかった。間もなく上映という絶好のタイミングだったので衝動的に飛び込む。
だが、最近の劇場版コナンはどうも力みすぎで良くない。マンネリになっていないか?でも、それなりに楽しんだ。

買い物を済ませ、夕方6時、タクシーに乗り込む。
運転手に、「宮崎牛をおいしく食べられるお店はどこですか?」と聞くと、「幸加園(こうかえん)」を紹介された。
星野ジャパンがキャンプ打ち上げで貸し切ったというこの焼肉店は、スポーツ選手、芸能人の御用達でもあるようで、店内はおびただしい数のサイン色紙。

特上ロースに上カルビ、キムチの盛り合わせに生ビール一杯で5300円也。この日も予約客で満席のようで、私のように当日飛込みで入る客は時間制限ありだった。

焼き肉のあと、次に向かったお店は郷土料理の人気店「杉の子」。
ここで宮崎名物の冷汁(ひやじる)と芋焼酎を楽しむ。暖かい麦飯に冷えた汁をぶっかけて食べるだけなのだが、やみつきになりそう。
以前、東京で食べたものより数段旨い。

宮崎最大の歓楽街、「ニシタチ(西橘)」には2000店舗を超えるお店が集まっているという。他に目立った歓楽街がないためか、週末ともなると老若男女がこの周辺に集まってきて活況を呈する。

私もニシタチを散策し、夜10時、ホテルへ戻る。

そういえば、せっかくリゾートホテルに泊まっているのに全然リゾートしていないことに気づくが、構わず、シャワー後に缶ビール片手に漱石の「猫」を読みつつ就寝。

「吾輩は猫である」、なるほどこんな漱石ワールドもあったとはつゆ知らず、自らの不覚を反省しながら眠りにつく。

5月4日(日)、快晴。朝6時に目覚めたあとは、またも漱石の「猫」を読みふける。
あいかわらず外は緑と青でまぶしいばかりだが、窓の右前方に見えるオーシャンドーム(昨年閉鎖された、かつての宴の後)が痛々しい。

シーガイアリゾートの失敗については、明日の号で考えてみたい。

7時半からの朝食は42階のレストランで。やっぱり高いところは景色も素晴らしい。バイキングということで好物のシリアルとパンケーキ、それにオレンジジュースとコーヒーという朝食に。
いけない!
のんびりしていたら、熊本行きの列車に遅れそうになった。

あわててシャワーを浴び、チェックアウトして小走りでタクシー乗り場へ。運転手を駅へ急がせるとさすが、百戦錬磨の運転手。
私の目的地が熊本と知ると、熊本まで2万円+高速代(4,400円)で行くというオファー。

もし列車に乗り遅れると約束の時間に間に合わないので、即、交渉成立。2万円まではメーターを倒すそうで、ちょうど中間地点の人吉周辺で早くも2万円になった。運転手さんにとっては条件の悪い遠出客となったことだろう。

午後1時、熊本駅で高木清美さんと合流。彼女は熊本のタクシードライバーでいつも熊本ではお世話になる名ガイドだ。
今回は、4月20日に復元なったばかりの熊本城・本丸御殿と西南戦争の激戦地・田原坂、漱石旧居跡などをご案内いただく。
まるでテーマパークみたく、2~3時間待ちにもなったという本丸御殿は見所が多い。
だが、あまりに人が多く、愛知万博のマンモスのように流れて見るだけだった。ほとぼりがさめた頃にもう一度来よう。

熊本城では明朝、「めざましテレビ」がここから発信されるということで、地元局の車がたくさん入り込んで設営していた。

午後7時、夕食。高木さんのおすすめで西銀座の「山地」へ。
がらかぶ(かさご)の刺身と唐揚げと味噌汁を楽しむ。カウンターで隣りに居合わせた男性2人組がさっき釣り上げてきたばかりという黒鯛とイサキとブダイの刺身が食べきれないということで、私にお裾分けを回してくれた。これがまた、絶品。私も彼らに熱燗をお返しし、釣り談義、魚談義に花を咲かせて盛り上がった。

「そげなことなか」
彼らの会話に耳を傾けると、半分ほどしか理解できないが、これも旅の楽しみだ。

5月5日 午前5時45分起床。
今日は熊本空港から名古屋に戻る日だが、高木清美さんが空港へ私を送る前に通潤橋(つうじゅんきょう)へ案内するという。
どんな所なのか想像できなかったが、行って本当によかった。通潤橋ももちろん良かったが周辺の景色が日本の田舎の原風景を見ているようで心が洗われた。

通潤橋
http://www.kumamotokokufu-h.ed.jp/kumamoto/isibasi/tuujunkyo.html

帰路につく熊本空港。
「今日は一週間ぶりに自宅だ。ちょっと痩せなきゃあ」

突き出たお腹をさすりながら、空港レストランで熊本の馬刺しと辛子レンコンに舌鼓をうつ。慌ただしくも充実していた南九州ひとり旅の打ち上げをする私であった。