Best of がんばれ!社長  武沢 信行

ベストオブがんばれ社長!社長・経営者を応援する「がんばれ!社長」ベストメッセージ(メルマガ「がんばれ社長!今日のポイント」バックナンバーより選抜公開)

うつと直面する

      2016/10/06

「うつ病の社員は採用しませんし、その可能性があるかどうかまで当社では性格検査で詳しく調べています」という会社がある一方で、「うつ病という理由だけでは不採用にしません。たしかに病気があることはハンデではありますが、技能や経験などとあわせて総合的に判定しています」という会社もある。
そのあたりは、企業側の姿勢であり選択の問題だ。

しかし、既存の社員がうつ病になった場合、それだけの理由で解雇することは出来ない。
もしもその社員が自宅療養するとなれば、就業規則に定める休職を認める必要も出てくる。

そもそも「うつ病は労災だ」という意見まであり、企業としては本人とじっくり話し合うのはもちろん、社労士さんや弁護士さんとも相談しながら対応せねばならないだろう。

厚労省の発表では、日本人の15人に一人がうつ病を経験しているという。単純計算すれば、日本国内に670万人(1億人÷15)いることになり、ものすごい数だ。

何となくイメージのなかに、「うつになる人=心が弱い人=根暗の負け組」というような印象があるかもしれないが、実体はむしろその逆。

ガンバリ屋の努力家が発病することが多く、社長であるあなたがかかる可能性だって充分あるのだ。もちろんあなたの息子や娘が発症することもあるわけで、うつ病に対して妙な特別視をしないことだ。

最近は薬が発達してきているので、以前のように一生つき合うような病気ではなくなってきているという。もちろん完治可能な病気だ。

そんな中、先日、うつ病になって8年目になる女性(25)とお茶を飲んだ。

中学を卒業するころまでは学業優秀で、生徒会や部活のリーダーをつとめるほどのガンバリ屋さんだったという。ところが進んだ高校が県内でも指折りの進学校で、そこで成績に急ブレーキがかかり始めた。

「最近どうしちゃったのよ、○○ちゃん」と家族や友人から声をかけられるのが徐々にプレッシャーとなり、「私の努力が足りないんだ」とがんばってみても中学の時ほど結果がでない。
やがて自分の実力の限界を感じはじめ、知らず知らずに「周囲の期待に応えられない」と自分を責めるようになっていったという。

そんな彼女が17才のある朝、目がさめたらガッツーンと来てしまった。

鉛のように身体が重く、気分までもが鉛のようだ。経験したことのない億劫な感覚だったという。
最初は単なる体調不良だと思った。だが、時間がたっても直らない。
日にちが過ぎていっても改善しない。
病院に行ってうつ病とわかった。一歩も外へ出られない日もあったが、彼女の場合は重症ではなく中程度のもので、学校へ通いながら通院した。

無事、大学まで卒業できたが就職することができず、書店でアルバイトした。誰にもうつ病とは言わずに働いた。

本当は自宅でじっくり療養したほうがよいとは分かっているが、大学に通う兄弟もいるし、いつまでも働かずに医療費だけを両親に負担させるのはしのびない。

そんな理由で働くのだが、仕事中に薬の副作用で寝てしまう。検品台にもたれかかって寝てしまう。レジ点検で千円札の束を数えながらも眠ってしまい、お札を床にばらまいたことも何回かある。

周囲に変な目で見られながらも言い訳することもできず、居心地が悪くなって退職した。

「仕事を見つけたいが、どうしたら良いだろうか」というのが彼女のご相談内容だった。

私が申し上げたことは次の二点。
1.理想をいえば、在宅でやれる仕事を見つけること。勤務中に眠ってしまうことを許容できる職場はそれほど多くない。だが、皆無ではないはずなので、応募するときは、自分がうつ病であることを隠さずに面接で言う。隠していて、あとで発覚するほうが不都合だと思う。

2.在宅の仕事が見つからず、外で働く仕事も見つからない場合は、親に頼んで治療に専念させてもらうこと。条件にかなえば、失業手当の給付を申請すること。もし家庭の経済的事情などで治療専念が許されないのなら、役所で生活保護の相談をすること。
相談事例 → http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2177603

最後に私は念のために確認した。

「まさか自分の命を絶とうなどと思ったことはないでしょうね」すると彼女は「毎日そのことを思います」と即答した。
しかも思い詰めた顔をしている。

うつ病とは自殺したくなる病気であると、何かに書いてあるのを読んでいた私は、「絶対に自殺だけはしてはいけない。必ず良くなるのだから」と強く申し上げた。

会社経営と社員のうつ病について、あなたも無縁ではいられなくなっている。

偏見と誤解を捨て、本を読むなりセミナーに参加するなどして、うつ病についての正しい知識と対応法を経営者は取得しておきたいものだ。

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