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それってブランディング?

先日、ブランディングに関する取材の申込みがあった。
ネットでがんばっている個人や会社を取材しているそうで、彼らのご指名を受けた以上、私のやってきたことを包み隠さずお話ししようとインタビュー収録をお受けしたのだが・・・。

取材に先立って届いた質問書の内容に少々がっかりさせられた。それには次のようなことが書かれていたのだ。

・・・
「がんばれ社長!」さんは、PR活動、広報活動、そしてメディア・インターネットなどをうまく活用し、自社ブランドを築いてこられました。そのあたりのご経験やノウハウなどについて詳しくお聞きできれば、今後の起業家や経営者に参考になるのではと思います。
・・・

私は不安になって彼に即レスし、確認した。

「わたしは、何かのツールやメディアを “うまく活用” してきたとは思っていません。PRや広報はとても大切な問題だと思いますが、そうしたテクニカルな話題の前に、まず企業でも個人でも、自分は何ものであって何ものになれるのかを深く理解することが先決かと思います。『がんばれ社長!』に関して言えば、テクニカルなPRや広報に関して、むしろ無頓着すぎるくらい無頓着でやってきました。そんな私なのですが、御社の取材対象になるのですか?」と。

世間では、「ブランディング」と称して実力以上に自社を大きく・強く・美しくみせることに躍起になっている企業や個人が多いが、それは結果的に逆効果となりかねない。

ウシオ電機の牛尾治朗会長は、「無名有力の時代を経ないで有名になるということは、最も危険なことである」と指摘しているが、まさしくその通り。最も危険なのだ。

実力はあるのに無名だ、という時代を経ることが必要である。

インターネットの出現で、だれでも目立つことをすれば有名になれる時代になった。そのこと自体は大変喜ばしいことだが、我が「無力さ」を、「有名さ」でカバーしようとしていないだろうか。

ブランディングとはそのような活動を言うのではない。ありのままを過不足なく知ってもらう必要があるわけで、それには、自社のホームページに決算書を載せておくというアイデアはどうだろう。

決算書ほど、わかりやすい真実はない。
もし、「それでは少々乱暴だ」というあなた。

信用のおける「自社の格付け」を載せておいてはいかが。中小企業の格付けについて、明日の号で書いてみたい。