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アルマゲドンと任天堂DS

先週、テレビで『アルマゲドン』を観た。最初に劇場で観たときは、とにかくスゴ~イ映画だったという印象がある。だがその時はストーリーを追いかけるのに必死で、全体を理解していたかどうか怪しい。

今回改めてテレビで冷静に見て、地球を救うためにプロの職人たちがかき集められるという設定が楽しい。しかも彼ら職人のほとんどが風変わりな個性の持ち主で、仕事はデキルが平和な日常では厄介者扱いされそうな連中ばかりだ。

だが、そんな彼らが地球を救う。
いわゆるエリートだけでは、作戦は作ることができても遂行はできない。現場実務に精通した職人達が現場で臨機応変の知恵を発揮することによって始めて計画が成就される、ということに気づかされる傑作映画だった。

現場で臨機応変といえば、今回の訪中でこんなことに気づいた。

外国ではなるべく現地の人に積極的に話しかけることで楽しさが倍化する。そのためにはその国の言語をマスターするのが理想だが、それ以外にもいろいろな方法がある。

上海市内の足つぼマッサージ店で、100分コースをやってもらっていた時、日本人カップルが入店してきた。
カップルの女性の方が「30元/60分」書かれたメニューボードを見ながら、中国人スタッフに片ことの中国語で質問を始めた。
そのやりとりの最中、彼女の両手には中国語会話の本が握りしめられ、それを時折みごとな速さで検索しながら会話している。
相当使い込んであるようで、ボロボロになっていた。

あそこまで使いこなしていれば、一冊の会話本が立派に戦力となる。

一方、私はどうか。

「ちくしょう、ショウガって中国語でなんて言うのだろう?ショウガ入りのコーラ、旨かったのでまた飲みたいのに・・・。よし、筆談で伝えよう。あれ?ショウガってどんな漢字だっけ?う~ん、ややこしいなぁ。もういい、普通のコーラにする」

なんていう事がこちらでは毎日ある。

そこで、今回の訪中用の秘密兵器として、任天堂DS本体と対応ソフト「旅の指さし中国語会話」を持参した。

本の方の「旅の指さしイタリア語会話」が昨年、現地で大変な戦力になったのを思いだし、「この中国語ソフトがあれば通訳を連れ回しているようなもの」と意気込んでの訪中だったが、いささか練習不十分だったようだ。

上海浦東空港に到着し、リニアモーターカーに乗って市内まで一人で颯爽と移動したまではよかった。
その後、駅の白タクにつかまりワイタンの和平飯店まで、正規料金の10倍ものタクシー料金を支払う羽目になる。

後部座席で私は、「高すぎる」「前はもっと安かった」「そんなには払えない」などと伝えるため、任天堂DSのタッチパネルを押し続けたが、結局該当する言葉が見つからず時間切れ。
和平飯店の前で泣く泣く400元払った。

せっかくの秘密兵器も現場で使いこなせるように操作練習しておかないと使えない。
本体とソフトを合わせて2万円もする新品の機械より、使い込んだ一冊の会話本(1,000円以内だろう)の方が勝るときだってある。

人だって同じだ。人間も現場で使い込んでゆき、何度も修羅場をくぐらせることでバランスの取れた人材に育つ。ボロボロに使い込んだ本のような味が出る。
どんなにスペック優秀な逸材に英才教育を施したところで、現場経験が乏しければ話にならないのだ。

おっと、今日は竜馬のことを書く予定だったが明日にしたい。