自宅から会社まで自転車を使うと17分。今朝、この17分間のすべてを、笑顔で通してみた。結構、笑顔を忘れがちで大変な挑戦だった。
たった一日の試みなので何も変化は起きなかったが、明らかにふだんよりも長めに人々の視線を集めたような気がする。もし、これを毎日続けたらどうなるだろう?
こんな巫山戯た(ふざけた)試みを思い立たせるような出来事が最近、連発したのだ。
それはある会社から届いた郵パックから始まる。
「一度批評してほしい」と経営方針書を送ってきてくれた会社があるのだ。匿名希望なので、仮の名前を『国定製鋼所』としておこう。
『国定製鋼所 第6期経営方針書』と金文字で印刷された豪華な装丁で、きちんとした経営管理がなされている印象を私に与えた。
「きっと中味も正統派の経営方針書になっているのだろうなぁ」と思いきや、・・・明けてビックリの内容だった。イラスト、挿し絵満載、写真もあちこちに。すべてカラーコピーだ。
1.経営理念:「いつもニコニコ元気な笑顔」
2.経営方針:「笑顔ウィルスで世界を覆い尽くそう。そのためには、
・社員の笑顔
・家族の笑顔
・お客様の笑顔
・取引先の笑顔
・地域の皆さまの笑顔
・会社の笑顔
・株主の笑顔
をいつも忘れず実践します。」
3.各部活動計画
・笑顔で達成する長期と短期の業績目標
・笑顔で獲得する新規開拓
・笑顔で生み出す新サービス
・笑顔がきれいな人を集める活動
・笑顔でお金を大切にする経費削減計画
・笑顔の人を大切にする人育て計画
・・・etc. ざっとこのように、すべてが経営理念の笑顔にリンクして作られている。「国定製鋼所」という会社名は仮のものだが、方針書の骨子はまさしくこの通りなのだ。
笑顔にこだわることは素晴らしい。なぜなら、誰でも心がけひとつで簡単に出来ることだから。それでいて、いつも笑顔を忘れずにいるのは並大抵なことではない。それをやりきる、やらせきるところに価値が生まれる。それに笑顔を見るのは楽しいではないか。
そんなことがあった翌日、スポーツジムのトレッドミル(ランニングマシン)で歯をかみしめて必死な形相で走り続ける私。知らぬ間にコーチが横にいた。
そして私にアドバイスをくれた。
「武沢さん、ランニングで一番大切なことは何だと思います?」
「ハッ、ハッ、ハッツ、しらない、ハッ」
「ほら、息があがってますよね、完全にそれでは心拍数オーバー。減量目的のランニングは、となりの人と会話ができる程度の呼吸を維持しましょう。そのためには、みけんの縦じわをとって、笑顔で走りましょう。笑顔を保ちながら心拍数オーバーになる、なんてことは絶対にありませんから」
ここでも笑顔か。
家族や会社など、知った人が多い場所で急に笑顔を振りまくのも変なので、しばらくは”笑顔自転車通勤”をやってみよう。
あ、明朝から東京、仙台出張なので、”笑顔出張”でいってみよう。