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続・集客に困らない

昨日号では、集客に成功する知恵として名古屋のエステサロン「A」と東京非凡会の集客法をご紹介した。
今日はいつも混み合っている高級クラブ「B」についてお話ししよう。

「B」の店内は、ボックス席が6つある。営業時間は、午後6時から午前1時までの7時間。時間制ではないが、1グループにつき70分で回転させるようフロアレディは教育されている。60分経過時点で茶そばが振る舞われるので、客もそれを承知していて切り上げ時の合図になっているのだ。もっとゆっくりしたいときは、茶そばを辞退すれば追加セット料金で延長もできる。

「B」の凄さはボックス席を商品と考え、それを事前に予約販売する営業システムにある。
「B」で働くフロアレディは、同業店のように営業時間中に接客することだけが仕事ではない。まるで普通の会社のように昼間はスーツを着てアポイント先に出向き予約受注をとってくるのだ。

一日は7時間(420分)営業なので、次の6コマがある。

a:午後6時~7時10分
b:7時10分~8時20分
c:8時20分~9時30分
d:9時30分~10時40分
e:10時40分~11時50分
f:11時50分~1時

座席が1番から6番まであるので、座席1のaから座席6のfまで、合計36通りの商品が一日で「販売」されることになる。一席あたり、1セットで6万円ほど売り上げるので、最高売上げは6万円×36セット=216万円 までは販売可能となる。

この36通りの商品を一ヶ月24日間販売するので、稼働率100%とすれば理論的には月間 5,184万円までが見込める。実績値はこれより下になるが、毎月の稼働率をいかに高めるかが経営者とフロアレディ共通の目標になっているのだ。

そこで、「B」では予約販売システムを取り入れている。

やがては独立して自分のお店を持ちたいと願うフロアレディにとって、集客努力をたたきこまれるクラブ「B」は、まさしく立派な経営者育成道場なのだ。
実績や本人のやる気に応じて販売目標を次のように割り振るのだ。

・X子さんの月間目標 χセット
・Y子さんの月間目標 ○セット



夜の接客ドレスとはうって変わったビジネススーツに薄化粧。季節のお菓子を持参しながら、日頃の感謝を伝え、次回はいつ頃何人で来られるのかを尋ねる。

決して営業トークはうまくない。だが、そうした彼女たちのぎこちない来訪がかえって男性客の心理をとらえる。訪問を受け入れた人のほとんど全員が次のアポイントを確定させていくという。

勝ち組には人知れない努力がある。
彼女たちの販売セット数目標が達成されるまで、この炎天下の今日も、企業への訪問が続くのだ。