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コーポレートガイド、メディアガイド、プロダクトガイド

ある日、士業の会に招かれて講演したことがある。
弁護士、税理士、社会保険労務士、そのほかにもたくさんの士業の方が集まっておられた。「顧問先を増やしたい」「売上を伸ばしたい」と考える人が多く、私に与えられた演題も「士業のための顧客倍増、業績倍増の手の打ち方」というものだった。

90分の講演のあと質疑応答があり、20人ほどのメンバーで懇親会場へ向かった。席に着くや否や、となりの公認会計士の男性が、こんなことを言った。

「武沢先生、さきほどの講演で、メールマガジンに広告を出してお客を増やした会社を紹介されていましたが、あの作戦は今でも通用するものですか?」

もちろん有効ですよ、と私が答えると「じゃあ、私も広告をお願いします」と名刺を出した。

「何万円かの予算で広告が出せて、それでクライアントが増えるのなら安いものですよね」と男性。以下、私とその男性とのやりとり。

武:広告を打ってすぐにお客が集まるという具合にうまくいけば良いのですが、おたくの事務所のウリは何ですか?
男:ウリと言いますと?
武:税務調査に強いとか、節税に長けているとか、経営計画づくりをサポートできるとかのウリです
男:特にそういう特色はないのですが、戦後間もないころに祖父が創業して私で三代目の老舗事務所です。60年の歴史をもつところがうちの特色でしょうか
武:なるほど。では、お客が御社とつきあうことで得られる具体的なメリットは何でしょう?
男:最終的に試算表と決算書を作る仕事ですから、その部分では他の事務所様と変わりません。ただ、うちは老舗ですから経験が豊富で、ありとあらゆる業種業態を顧問先に持ってきたのが自慢です
武:では、ネットで広告を打つときメルマガ読者に何をアピールされる予定ですか?
男:何をアピール、とおっしゃいますと…?
武:たとえば、節税対策セミナーを告知するとか、税務調査の対策レポートを無料進呈するとか、メルマガ読者を集めたい、などです。
男:ほ~、それを考えないとネットで広告を打てないわけですか?

当然のことである。

この男性は広告費を払って「○○会計事務所」という名前をメルマガで PR すれば、ホームページへのアクセスが増え、問合せの電話やメールが舞い込むものだと思われたようだ。「60年の老舗 ○○会計事務所」というイメージ広告で会社のブランド刷り込みをしたところで意味はない。

消費財を売っているメーカーなら「ファン・トゥ・ドライブ・トヨタ」とくり返すだけでも車を買いたいユーザーは、トヨタのディーラに足を運ぶということがおきる。ブランド名、製品名、企業名を連呼する広告が効くのは、そうした消費財メーカーなどにかぎられる。

それ以外の会社では、ネット広告の際にはその都度強力な「フック」が求められる。ワッと飛びつきたくなるような旬な情報がなければならない。
たとえば、

・画期的新製品が発売された
・未入荷だったあの商品が入荷した
・従来品と同じ性能のものが3分の1の値段で買える
・この期間中にこの製品を買うと、こんなおまけがついてくる

こうした強烈な「フック」があれば、告知に比例して成果が上がる。しかしなにひとつ目立ったフックがない場合、告知してもリアクションは何も起こらない。つまり広告費の無駄になるわけだ。

そうしたお話を先の会計士の方にしたところ、「うちのようなフックがない会社はどうすれば良いですか?」と聞かれた。

真面目さが取り柄とか、誠心誠意よい仕事をする、というごく普通の中小企業がネット広告するには、まずフック作りが必須作業になる。できれば、そのフックを手に入れるための経済的・心理的ハードルは低くなければならない。

・無料冊子プレゼント(期間限定 or 冊数限定)
・今話題の××対策に関する YouTube 動画 無料視聴
・過去のメルマガバックナンバーから精鋭 10本を PDF で今週一杯、無料プレゼント
・受講料 5,000円のセミナーだが、「がんばれ!社長の広告を見た」と書けば受講料が半額になる

などのフックである。こうしたフックに磨きをかけ、「乗らない手はない」と思わせるほどに訴求内容に魅力をもたせたいものだ。

また、その広告をみてホームページを訪れた人に対して、選択肢を複数用意することで広告効果がグーンとアップする。たとえば、Amazon で本を買うようにアピールしたとしても、それ以外に「メルマガ購読」「セミナー参加」「YouTube 動画視聴」「資料請求」など複数の選択肢があれば、今は本を買う気がない人でも、あなたの会社とつながっていたいという人をしっかり縁を作ることができる。1メニュー、1オファーでは効果は落ちるのだ。

手前味噌だが、「がんばれ!社長」のメールマガジンを使って成果をあげてこられた会社は、大半がリピーターになっていかれる。号外広告をはじめて約 10年、242社が 1,136本の号外広告を出されたが、そのうち 985本(87%)がリピーターによる出稿なのである。結果が出ている以上は、継続して出稿していただける。

具体的に、どのような会社がどのような方法で顧客創造を行ってこられたかの資料を今回ご用意した。

「がんばれ!社長」は広告を収益源のひとつにしているので、当然、
「がんばれ!社長」のメディアガイドを作っている。
しかも四半期に一度は内容を更新し、広告代理店に郵送したり、Webにアップしている。

そうした「メディアガイド」とは別に、今回、「上手なネット広告」と題する PowerPoint 資料を 12枚にまとめた。

こちらのホームページをクリックすれば、PDF ファイルが開くので、パソコンやスマホなどでお読みいただきたい。

・「がんばれ!社長」メディアガイド(2014年8月版)
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3983

・「上手なネット広告」最新事情(2014年盛夏版)
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3984

そして、あなたの会社でもこうした「メディアガイド」のような「コーポレートガイド」「サービスガイド」「プロダクトガイド」を開発しよう。

今日の結論

1.顧客創造しようとしたら、パワポ(または keynote)でつくる
コーポレートガイド、メディアガイド、プロダクトガイド、サービスガイドを用意する。
2.それをネットにアップしたり、紙で配付する。
3.広告出稿する際には、今回だけの特別なオファー(フック)を用意し、それに焦点を当てた広告原稿で読者に訴求する。
4.読者のオプション(選択肢)は、複数用意し、取りこぼしを少なくすることで広告パフォーマンスを高める。
5.「がんばれ!社長」の広告出稿で成果をあげた会社の事例を研究する。必要によっては、「がんばれ!社長」などネットメディアに広告出稿を検討する。初めての方には簡易号外でテストを、成果を確認された方には通常号外で本格訴求をおすすめする。