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高気圧酸素カプセルと利益

休日の昨日は、名古屋市内で「高気圧酸素カプセル」というものに入ってきた。別名“ベッカム・カプセル”ともよばれ、ケガから早期復帰したサッカーのベッカム選手が愛用したカプセルとしてもブームになっている。
一定時間、カプセル内の高濃度酸素を全身から吸うことで、細胞の代謝や活性化に役立つというのがウリだ。

私自身、たしかにスッキリした。
疲れ切った午後に20分の午睡をとったときと同じような爽快感が得られる。週に二~三回通うともっと良いらしい。ダイエットや若返りにも効果があるという。
カプセルに入らなくても、空気中から十分な酸素を取り込んでいるはずなのに、どうやらまだまだ足りないらしい。

さて、

酸素と同じように、利益や資金もまだまだ足りない。あなたの夢の実現のためには、もっともっと利益や資金をたくさん必要とするだろう。

昨今の風潮のひとつに、“金がすべて”と言わんばかりの本が多数発売され、その手の本が結構売れているという嘆かわしい現実がある。

「金さえあれば何でもできる、金があれば国すらも動かせる」というが、金で自らの精神を養うことはできない。そうした金本(かねぼん)作者に対して、金で買えないものが山ほどあるという現実を親や周囲の先輩はどうして教えてあげないのだろうかと不思議に思う。

金持ちになることに対して異様なまでのあこがれをもつ若者が増加する一方で、利益や金に対してとことん意欲が希薄な経営者も多い。
とくに、地方の中小零細規模の経営者の中には、そもそも会社の利益に対して意欲が乏しすぎやしないかと思うことがある。

ある地方都市の経営者セミナーで、「御社にとって利益とは何か」という質問をした。
すると、返ってきた答えの約半数は

・「利益はそれほど重要視していない。むしろ社員や役員への還元を優先している」
・「利益だけのために仕事をやっていない」
・「利益は結果であって、その前にやるべきことがある」

いずれもがもっともらしい解答だ。そのような美しい答弁よりも先に、利益に対してもっと切々たる欲望をもってほしい。
「利益は会社のとっての酸素みたいな必需品だ。なくてはならないもの、それが利益だ」と言って欲しかった。

なぜ利益を出す必要があるのかを紙に書こう。税金を払いたくないために利益を出さないなんていうのはいただけない。それはまるで、本代を惜しんで図書館通いしている作家のようなもので、やがては自分の首をしめることになる。

武沢が考える利益を出す理由。

・優秀な人材を採用・定着させる体力をもつため
 (良い待遇、良い勤務条件、法にかなった労務環境、潤沢な求人活動費を確保できるようになるため)
・優秀な人材に継続的な教育投資を施す体力をもつため
 (従業員ひとりあたり平均で○○万円以上の教育費用を確保できるようになろう)
・競争力を付けるために必要な開発費(研究開発、設備投資、など)
・いざというときにもあわてない財務体力と財務体質をもつため
 (現金比率30%以上、自己資本比率30%以上、ROE30%以上などの指標を作り、クリアしよう)
・有利な資金調達を可能にするため
 (銀行からの間接金融だけでなく、必要によっては、自己資本増強策として他人資本を受け入れよう)
・理念実践費用
 (経営理念を実現するためには、今やっている活動以外に新たに予算化すべき活動があるはず。それを別枠勘定で予算化できるようになろう)

高気圧酸素カプセルに入ってみて始めて酸素の威力がわかるように、たくさんの利益を生む必要に目ざめてこそ、利益が生まれる土壌が出来たと言えよう。