参ったなぁ。当のチャップリンはオトナになってからまるで別のことを言っている。どっちが正しいかは、貧乏と富の生活との両方を経験した人でないとわからないでしょうね。
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貧乏はたのしいものだと他人に思わせるのはけしからぬ態度である。貧乏にたいしてノスタルジアを感じたり、その中に自由を見出したりする人にはまだ会ったことがない。名声や巨富は拘束を意味するなどといって貧乏人を説得することはだれにもできまい。げんにわたしは富の中になんの拘束も発見しない。それどころか、わたしはその中にたくさんの自由を発見するのである。
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(チャップリン著「チャップリン自伝」より)