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長州非凡会を終えて

二年を一クールと定めた長州非凡会。先週土曜日(4/17)が最終回だったが、今回も多数のドラマがあった。

まずWさん(男性、35才?)、自宅から非凡会会場までの約70キロを歩いてきたという。丸二日間かけてとにかく歩いた。
「今までやったことのないことに挑戦する」というのが今年のテーマだったそうで、今回の非凡会でそれを果たした。

「膝や腰がまだガクガクする」。

もうそれだけで賞賛に値する挑戦なのに、この話はまだ終わっていなかった。

非凡会の翌日、萩の松陰神社に参るツアーがあり、Wさんも参加。その帰り道、約9キロを雨の中、再び歩いて帰ったという。
道中は困難を極め、くじけそうになる。とくに残り数百メートルの登り坂道では疲労困憊、力尽きそうになった。

だが、非凡会のメンバーの声「がんばれ!」と、面々の顔が思い浮かぶ。歯を食いしばって、とうとう走破した。恐るべし、Wさんの体力と気力。帰宅してまっさきに電話したのが非凡会幹事の松原さん宅だった。電話口で不覚にも泣いてしまった。

人は成熟するにつれて若くなる、とヘッセは語ったが、私たちは体も心も若く保持しなけばならない。

ドラッカーが94歳でいまなお現役第一線で活躍中であることは先週述べた通り。また、江戸時代に貝原益軒が『養生訓』を著したのが84歳。杉田玄白が『蘭学事始』を著したのは83歳のときだ。普通ならボケが始まるか、すくなくとも引退している年齢だ。

その杉田玄白が、69歳のときに書いた『養生七不可』では、長生き
の秘訣として、

1.恨みや後悔の感情をもつな
2.先のことを悩むな
3.酒は適量を守る
4.毒気のものを食べるな
5.病気でもないのに薬をのむな
6.セックスは控えめに(これは貝原益軒も同じことを言っている)
7.毎日マメに働く
と、教えている。

そういえば、江戸時代の末期、幕末の志士たちの多くは江戸と京の間を何往復もしている。東海道は距離数にして500kmあるが、これを15日ほどで歩いている。
しかも途中、山あり川ありの東海道だ。一日平均で35kmという距離を荷物をかついで歩いている。
当時は、一時間に6km、女性でも5kmのスピードで歩いたというから、つくづく健脚としか言いようがない。
ちなみに私の歩幅70?で割ると、一日5万歩になる。私はかつて、アメリカのニューヨークで一日、3.5万歩あるいたが、翌日は腰に熱が貯まった。

長州非凡会のドラマはWさんの挑戦だけではない。
新規にスタートした環境ビジネスが軌道に乗らない。勢い、悩みは多くなり酒もタバコも増える。そんなKさんと二人になったとき、私はあえて、言いにくいことを進言した。

「Kさん、あなたはまず環境を論じる前に、自分の肉体を変えようじゃないか。そのタバコと体重を何とかしよう。」

Kさんは怒らなかった。不快な顔もしなかった。むしろ、言われて痛快そうな顔をしていた。なぜなら、自分でも密かにそう思っていたからだ。
そして、皆の前で宣言してくれた。

「まず、私の肉体を変えます」と、日に3箱吸っていた煙草を箱ごとねじり曲げた。92キロある体重を年内に82キロにするとも宣言した。ファッションセンスを変えることも決意した。若返るべしKさん。

そのためには、もっと自分を鍛えることだ。長州非凡会には模範生がたくさんいるではないか。
今回、会場を提供してくれたKさん、非凡会の会期二年間で売り上げを4倍にしたIさん、ジャグリングで毎回盛り上げてくれたAさん、住宅受注に革命的アイデアをもたらしたYさんなど、素晴らしい仲間が長州にいる。

それだけではない。身体にハンデを持ちながら遠方から駆けつけてくれた方々もいる。女子大学生でありながら参加し、私の会社の入社試験を受けた学生も長州だ。九州や広島からも、ご夫婦やペアが長州まで駆けつけた。

幹事の松原香織さんと藤川美雪さんにとって、長くもあり、短くもあったこの二年。参加者から花束がプレゼントされ、ご両名は涙ぐんだ。

第一期長州非凡会はこれで終わる。

期が熟し、必要があればまた第二期が始まるに違いない。ありがとう長州、そしてがんばれ長州!