日本がもし、このまま移民を受け入れない政策を維持した場合、西暦2050年には、「77才定年制」が必要になる。
ことほど左様に、超高齢社会が進行中なのだ。
今、日本人の平均年令は41.3才。だが、50年後には53.2才となる。
高齢社会の進行はとどまる様子がなく、このままで行くとどうなるのか、また何をすべきか。
国連の定義では、全人口の中に占める65歳以上の高齢者の割合が7%を超えた社会を「高齢化社会」と呼ぶ。
また、14%を超えると、「化」の文字が取れて、「高齢社会」と呼ぶようになる。
すでに、1994年に14%を超えた日本は、欧州でもっとも高齢化の進んでいるスウェーデンに並ぶ「高齢社会」を迎えているのだ。
出生率の低下と死亡率の低下が高齢進行のエンジンになっている。
出生率の低下には歯止めがかかる予測だが、それでも、せいぜい横ばいと見られており、一方の死亡率低下はますます進む見通しだ。
65歳以上に対する生産年齢人口(15~64歳)の比率は、1995年からすでに減少傾向にある。生産年齢人口の比率を1995年水準で維持するには、これから毎年、約65万人の移民の受け入れが必要になるというレポートもある。もしそうなった場合、2050年には総人口の3割近くが移民とその子孫になるといわれている。
仮に移民を受け入れない場合には、2050年時点で「77歳定年社会」とする必要があるのだ。
そこで、考えてみよう。
経営者的、起業家的な観点からこの事実をとらえ、打つべき手を考えるのだ。もちろん何も手を打たないというのも一手ではあるが。
例えばこんな感じだ。
・我が業界、我社と高齢社会の関係は何か
・高齢社会によって人々の生活や買い物はどう変わるか
・医療や介護、健康関連事業はどう変わるか
・住宅や交通環境はどう変わるか
・今、世の中に存在しない新たなシルバーマーケットは何だろう
・企業と社員、企業と高齢社員の関係はどう変わるか
・我社は何をすべきか
昨日、『入社資格は60歳以上』(サンマーク出版)を読んだが、この本の執筆者でもある平野茂夫社長の試みは斬新だ。時宜にかなった取り組みであり、学ぶべき点が多いのでご紹介したい。
<明日に続く>