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桶狭間

桶狭間で今川を打ってから信長の運命が急転回した。IBMに対して基本ソフト納入に成功してからビルゲイツの運命の扉が開いた。マクドナルド兄弟からビジネスの権利を買い取ってからレイ・クロックの新たな人生が始まった。

乾坤一擲の勝負というものがあり、私たちはそれに勝利しなければならない。もちろん“桶狭間”以降にも多くの戦に勝利した信長だが、それらは“桶狭間”あってこその戦だ。
あなたにとっての“桶狭間”とは何だろうか、そしてそれはいつだろうか。

不思議なもので、本人にとって乾坤一擲の勝負とは、勝利の予感に満ちたものではないようだ。むしろ、一見すると破滅への道とそっくりなのだ。
事実、マクドナルドの創業者レイ・クロックは、「私にとっては生きるか死ぬかの選択だった。マクドナルドで失敗すれば、私にはもう行く先がなかった」と語っている。事業で成功している経営者も皆、成功へのプロセスは破滅へのプロセスと最初はおなじ景色だった、と異口同音に語っている。

安全な道を望むのであれば、信長もゲイツもクロックも他の選択肢があっただろう。だが安易な道を選ばず、イバラの道をチョイスし、その道の向こうにあるバラ園に到達した。そんな生き方をするにはどうしたら良いのか、というのが私の関心事だ。

昨日から、『「絶対に達成する」習慣 勝てる自分をつくる7つの方法』(武沢信行著 サンマーク出版)という本が発売になった。これは、私の書き下ろしだ。

この本の誕生は、サンマーク出版の敏腕編集者・佐藤理恵さんが私に突きつけた要望書から始まる。

「こんな目次の本を作りたい」という具体的なリクエストが送られてきたのだ。それによれば、

・自分自身のマネジメントを成功に導く秘策
・頭で考えていることを実行に移せるようになるポイント
・やろうと決めたことを最後までやり抜く秘訣

ひとことで言うと、「絶対に達成する」習慣作りの本を書いてほしいというリクエストだ。

私はその場で「ムリだ」とレスした。そんなすごいノウハウがあれば、私が読みたい。私にはそんな大それたことを書く資格はないし、書く時間もない、と。

だが、彼女もねばり強かった。

「それであれば、お目にかかって私からいくつか具体的な質問をするので、武沢さんはそれに答えてほしい。それを録音し、文字にするので、それをベースに原稿を仕上げてくれないか」

「へぇ、それなら面白そう」とお答えし、出来上がったのが今回の本だ。よって、「がんばれ社長!」で以前に書いた原稿は一行も出てこない。文章そのものも問わず語り形式になっている他、“とにかく武沢さんの生の事例を多く”という佐藤女史の期待に沿った本になっているはずだ。

この本で私は、自分をひとつの株式会社にたとえ、その自分株式会社を勝利に導く7つのステップを紹介した。

1.立志・・・理念とビジョンを掲げる
2.知己・・・自分の偉大さを知る
3.立案・・・気宇壮大な目標をたてる
4.習慣・・・まず何かの習慣を変える
5.実施・・・速きこと風のごとく着手する
6.遂行・・・燃えつくすこと火のごとくやり切る
7.反省・・・静かなること林のごとく反省する

信長にはなれないかも知れないが、なりたい最高の自分になる方法を現時点の私なりに精一杯書いた。あなたの読後感を聞きたい。

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